Q. 「忙しい」と言っている社員、本当に成果を出しているのでしょうか?

【A】「忙しさ」と「成果」は別物です。

職場には、いつも忙しそうで、「忙しい」「時間がない」を口にしている人がいます。
もちろん、本当に忙しい人もいます。
ただし、現場を見ていると、「自分で忙しくしている人」も少なくありません。

【現場①】一見忙しそうな人気営業マンの正体

ある販売会社での話です。
ひとりだけ、やたらと電話が鳴る営業マンがいました。

一日中、電話対応に追われている。
周囲は、「人気があるんだな」「仕事ができるんだな」と思っていました。

しかし、その人が突然退職したあと、状況が一変します。

残されたのは、 こんな状況でした:

  • 未対応の案件
  • 処理されていないクレーム
  • 投げ出された仕事の山

実は、あの電話の多くはクレーム対応だったのです。
「忙しさ」の正体は、信頼ではなく、トラブル処理でした。

【現場②】「忙しい」が口癖の人の共通点

別の会社では、いつも「ああ、忙しい忙しい」と言っている社員がいました。

その人の特徴は、

  • ケアレスミスが多い
  • 苦手な仕事を後回しにする
  • 締切直前に慌てて処理する
  • 結果、やっつけ仕事になる

つまり、仕事量が多いのではなく、仕事の進め方が非効率だったのです。

【現場③】開業者の「忙しい」の中身

開業者の中にも、会うたびに「忙しい」と言う人がいます。
話をよく聞くと、その忙しさの原因は、

  • 事前説明不足による問い合わせ対応
  • 着手が遅く、常に追われている
  • 確認不足で手戻りが発生

という、防げたはずの忙しさでした。

【対応】「忙しい」を鵜呑みにせず、中身を確認する

「忙しい」と言われたとき、すぐに「頑張ってるね」と評価せず、
まず、こう聞いてみてください。

  • 「何に、一番時間を取られている?」
  • 「そのうち、防げたものはある?」
  • 「どこで手戻りが起きている?」

この対話をすることで、
「本当に忙しい人」と「自分で忙しくしている人」が見えてきます。

そして、能力が高い人ほど、

  • 先回りして対応する
  • 説明を惜しまない
  • ミスや手戻りを減らす

ため、実はあまりバタバタしません。

一方で、

  • 後回し
  • 説明不足
  • 確認不足

が積み重なると、人は自分で自分を忙しくします。

【まとめ】忙しさの中身を見ましょう

「忙しい」という言葉は、とても便利です。
でも、それをそのまま評価軸にするのではなく、

  • なぜ忙しいのか
  • どこで手戻りが起きているのか
  • 本来防げた忙しさではないか

ここを一緒に整理することで、

  • 本当に守るべき人材と、
  • 改善すべきポイント

が見えてきます。

ただし、注意したいのは、
「忙しい」と言わざるを得ない環境を、組織が作っていないかです。

  • 業務量が本当に多すぎないか
  • 教育や引き継ぎが不十分ではないか
  • 安心して相談できる雰囲気があるか

「忙しい」の裏には、本人だけでなく、組織の課題も隠れているからです。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

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