「ちゃんと見ている」は、伝えないと伝わらない
経営者や上司は言います。
「ちゃんと見て評価しているつもり」と。
でも社員側はこう言います。
「評価されている実感がありません」
上司は驚きます。
「ちゃんと見ているつもりなのに」
この「つもり」のズレが、静かにやる気を削っていく。
ここでは、評価が伝わらない職場で何が起きるのか、どう直すのか、
をQ&Aで整理します。
Q1.「評価が見えない」とはどんな状態?
金額は伝わっている。でも、その理由が伝わっていない。
これが典型です。
社員の頭の中はこうなっています。
- なぜこの賞与なのか
- 去年と何が違ったのか
- 何を頑張れば上がるのか
結果だけ渡され、根拠がない。
これが「見えない評価」です。
Q2.評価が見えないと、何が起きる?
まず、努力をやめる。
次に、提案をやめる。
最後に、期待することをやめる。
すると、職場ではこうなります。
- 挑戦しなくなる
- 最低限のことしか、しなくなる
- 「どうせ同じ」が口癖になる
- 会社への不信感が強まる
最初は評価の問題だったのが、しだいに業績の問題に変わっていきます。
Q3.評価制度がない会社は、どうすればいい?
立派な制度はいりません。
まずは、「評価のものさし」を言葉にしていきます。
実務では、この3つの軸が使いやすいです。
- 成果:結果を出したか
- プロセス:姿勢・どう取り組んだか
- チームへの貢献度:周囲にどう影響したか
このように、会社が何を大事にしているかを、先に示します。
それだけで行動は変わり始めます。制度は後から整えればいいのです。
さらに重要なのは、「全員同じ基準」であることです。
人によって物差しが変わると、公平感は一気に失われます。
Q4.面談は年1回で足りる?
足りません。
理想は半年に1回、できれば四半期。
でも本質は頻度ではありません。
「あなたを見ています」このメッセージが届いているかどうかです。
届いていれば、15分でも効果はあります。
Q5.評価を伝えるときのコツは?
3つだけです。
- 感覚ではなく事実で話す
×「頑張ったね」 〇「○月の○○対応が良かった」 - 「良い点→ 改善点」の順で伝える。逆だと、防御反応が出ます
- 「どう思う?」と必ず聞く
評価は通知ではなく、『対話』です。
Q6.今日からできることは?
制度がなくてもできます。
- 評価理由を一言伝える
- 月1回、仕事の話を聞く
- 会社が大事にしている基準を繰り返し言う
これだけで、空気は変わります。
まとめ
社員のやる気は、給料だけでは動きません。
納得できる評価で動きます。
必要なのは、
- 何を評価しているかを言葉にする
- 定期的に対話する
- 理由を具体的に伝える
評価制度は、紙より『対話』です。
もし少しでも不安があれば、早めに見直す価値があります。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
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