人事制度を作る際に、従業員のみなさんにアンケートを実施しているのですが、
その中でよく出てくる上司や会社への不満をご紹介いたします。
これらの生の声を参考に、働きやすく働きがいのある職場作りの一助にしていただけたらと思います。
1.人によって対応を変えないで(不公平の弊害)
上司の中には、同じミスをしたとしても、人によって対応を変える人がいます。
たとえば、部下が遅刻をしてくるとします。その部下が、
- 気が弱くて従順な人であれば怒るのに、
- お気に入りの部下や、逆にいつも反抗してくるような部下だと怒らなかったりします。
このような上司を放っておくと、部下たちは腐ってしまい、仕事の質はどんどん下がります。
また、自分を守るために、みんなが自分本位になるので、
- 職場の雰囲気が暗くなる
- 助け合うことがなくなる
- 何かあると誰かのせいにする
このような組織文化になってしまいます。
一番悪いのは、このような人を管理職にしている会社側です。
管理職教育と、それがだめなら降職・降格する対応が必要です。
2.会社の方針を示して
「会社の方針を示してほしい」という不満は、会社側が「優秀」だと思っている人達から挙がってきます。会社の将来を、自分事のように考えているからでしょう。
どのような声かと言いますと、たとえば、
- 「今後、この会社はどこに進む予定なのか、会社のビジョンをきちんと示してほしい」
- 「行き当たりばったりなのであれば、転職を考える」等です。
一方、何も考えていない人は、
- 「べつに不満はありません」
- 「わかりません」
- 「私の給与はどうなるのでしょうか?」
という回答です。
3.評価がわかるようにして
これもよく出てくる声です。
- 「仕事の量が増えて頑張って対応したのに、処遇に反映されない」
- なぜこの給与額なのかを知りたい
- なぜこの賞与額なのかを知りたい
これらの声を放置すると、
- 最低限の仕事しかやらない・・・仕事を必死にやっても報われないから
- 「会社に都合よく使われている」と悪意を持ち、反発する、さぼる、徒党を組む、背任行為をするようになる
- 仕事の質の低下、ミスやクレームの増加・・・やる気がないから
- 新しい仕事にチャレンジしない・・・積極的に働きたいと思えないから
このようになってしまいます。
対応策
- 会社方針に沿った簡単な評価制度を作り、「どうすれば、どう行動すれば、認められるのか」を見える化する
- 最低年2回、人事評価とフィードバック面談を実施し、対話をする場を設ける
まずはここからやってみましょう。
4.仕組み化してほしい
仕組み化されていないと、仕事が属人化されてしまい、次のような結果になります。
- 「あの人が休むと、誰も対応できない」と顧客に迷惑をかける
- 残業を減らすよう部下に指導しても、「無理です!」しか言わず改善されない
- 辞められたら困るのでつい甘やかし、その結果モンスター化し、職場崩壊
現場の仕事をすべて部下任せにしているとこうなります。
解決策
- 業務の見える化:その人にしかわからないブラックボックスを廃止
- 業務の整理:無駄・不要な業務の廃止、仕事に優先順位をつける等
- 情報共有:言った言わない、業務のダブりを防ぐ
- マニュアル化・システム化:効率、生産性アップ
- 定期的なジョブローテーション:多能工化、全体的なスキルの底上げ
このような地道な努力や改善が、やる気のある部下の心に火をつけます。
そして、やる気のない部下は居づらくなって辞めていきます。
5.個人情報の管理をしっかりして
個人情報の管理について、次のような不満が出てきます。
- 給与明細ファイルが、上司の引き出しに鍵もかけずにしまわれている
※見ようと思えば誰でも見られる状態になっている - 給与担当者がおしゃべりで、休憩室等で「あの人はいくらもらってる」などと話している
- 「あなたはいくらもらってるの?」と周りの人に聞いて回る人がいる
- 履歴書が人事担当者の机の上に置きっぱなし
このように、個人情報の取扱いがぞんざいですと、部下から信頼されません。
また、職場の秩序が乱れるきっかけになります。
対応策
経理、人事、給与担当者は口の堅い人にしましょう。
教育を兼ねて、定期的に誓約書をとるのも有効です。
6.役職者としての仕事をしてほしい
部下から上司への要望として多いパターンを、いくつかご紹介します。
- 上司みずから率先して行動してほしい(お手本になって!)
- 部下のサポート、フォローをきちんとしてほしい(丸投げはダメ)
- 褒めてほしい、きちんと指摘してほしい(良いのか悪いのか、評価して)
- 規律を守れない人には、きちんと注意指導してほしい(見て見ぬふりはダメ)
みなさんの職場ではいかがでしょうか?
また、部下たちは、
「平社員と同じようなことをしているだけの役職者は、役職から外れてほしい」
と切に希望しています。
対応策
就業規則では、役職手当の支給額は書かれていても、役職の役割については書かれていないのがほとんどです。
就業規則にこの役割が明確に書いてあれば、「あなたは、役職者としての役割を果たしていますか?」と評価がしやすくなります。役職者としての自覚を促すこともできます。
7.情報を共有してほしい
社内で情報共有ができていないと、ミス、無駄が増え、
「それ、聞いていません!」「いや、伝えたはずだ」と社内がギスギスしだします。
また、正社員には伝えても、パートやアルバイトには伝えていない、といったパターンもあります。
非正規社員も大事な戦力です。
非正規社員の方が現場の最前線を任されることが多いので、情報共有は必須です。
「うちは情報共有はできているよ」といった場合でも、よくよく話を聴くと、ただの雑談だったりします。職場の潤滑油にはなりますが、それ以上に、仕事の情報共有をしましょう。
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