なぜ「辞められるのが怖い」のか
「注意したい。しかし、仕事ができるので辞められたら困る」
「あの人がいないと現場が止まる」
そんな不安から、毎日その社員の顔色をうかがっていませんか?
その状態は、会社を静かに壊していきます。
怖くて何も言えないと、職場で何が起きる?
実際にこれまであった事例をいくつかご紹介します。
- 問題行動がエスカレートしていく
注意されない人ほど、「自分は特別」と勘違いします。
遅刻が増える、報告をしなくなる、勝手な判断を繰り返す。
気づいた時には、「もう誰も注意できない存在」になっています。 - 真面目な社員が辞めていく
不公平ほど、人を冷めさせるものはありません。
「なぜあの人だけ許されるの?」
そう感じた瞬間、優秀な社員ほど静かに転職サイトを開きます。 - 経営者が心身ともに疲弊する
ストレスで眠れず、判断が鈍り、自信を失っていきます。
気づけば、会社だけでなく自分自身も壊れていきます。
解決の第一歩は、「覚悟を決める」
この局面を乗り越えた多くの経営者が、後にこう言います。
「辞められても、意外と何とかなった」
「かえって、みんなが協力しあうようになった」
「職場が落ち着いた」
覚悟を決めるとは、強がることではなく、現実を冷静に見て動くことです。
具体的な3つのステップ
ステップ1:最悪の事態を想定する
「もし辞めたらどうなる?」を具体的に考えてみます。
たとえば、
- その業務、他の誰かに代行できないか?
- マニュアル化すれば回せるのでは?
- 自分が一時的にカバーできる範囲は?
ほとんどの場合、「絶対無理」ではなく、「何とかなる」に変わります。
ステップ2:事実を記録する
問題行動の客観的な事実を書き留める。
たとえば、
- 日時:〇月〇日
- 内容:報告なしに独断で判断
- 結果:お客様からクレーム
記録があれば、冷静に面談でき、「あなたが悪い」ではなく、
「事実として困っている」と伝えられます。
ステップ3:面談で伝える
❌NG:「最近、態度が悪い!」
⭕OK:「〇月〇日の△△の件で報告がありませんでした。結果、お客様からクレームがありました。今後は必ず事前に報告してください」
もし「じゃあ辞めます!」と言われても、
「それはあなたの判断です。ただし、会社としての方針は変わりません」
この一言が、あなたの覚悟を示します。
まとめ
「辞められるのが怖い」という気持ちはわかります。
しかし、言えないことで職場も自分も壊れてしまったら本末転倒です。
実際に勇気を出して伝えた経営者たちは、口をそろえて言います。
- 「思っていたほど大変じゃなかった」
- 「むしろ、職場の空気が良くなった」
- 「優秀な人が埋もれていたことに気づけた」
恐怖は、向き合った瞬間に小さくなります。
覚悟はそこそこで大丈夫です。
まずは、事実を整理し、ひとつの行動から始めてみませんか。
それが、恐怖で動けない会社を、信頼で動く会社に変える第一歩です。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
「問題社員に注意できない」「辞められたら困ると思って何も言えない」
そんなときは、お気軽にご相談ください。





