中小企業に人事制度が浸透しない理由
人事制度は、従業員を社長さんの望む人材に育てるための優秀なツールです。
しかし、それを作ろうとする会社さんは少ないです。
その理由は、次のような思い込みによるものです。
- うち程度の規模ではまだ早い
- 値段が高そう
- 運用が難しそう
- 面倒くさい
本当は、人事制度こそ、早い段階で導入すべき仕組みなのです。
人事制度は「従業員が1人目のとき」に作る
人事制度は、従業員が1人できた時点で設計しておくのがベストです。
大がかりなものである必要はまったくありません。
たとえば、以下のような簡単なシートでOKです。
● A4用紙1枚でできる「育成ステップ表」
- 縦軸に「入社1年目」「3年目」「5年目」…
- 横軸に仕事内容や求めるスキルをざっくり記入
📌 ポイントは、社長の頭の中にある理想の人材像を見える化することです。
鉛筆片手に「こんな感じで成長してくれたら嬉しいな」とイメージを紙に起こす。
これだけで、社長の期待と、従業員の成長目標が自然と一致していきます。
制度を「使える」ものにする「運用」の工夫
制度は作って終わりでは意味がありません。
カギになるのは「運用」です。
最低限、以下の3つの仕組みを取り入れるだけでも効果があります。
(1) 成長が報われる「昇給・昇格制度」
各ステップごとに昇格テストを設け、合格すれば給与や賞与UP。
(2) 裁量を与える
スキルに応じて仕事の幅や判断の自由度を広げる。「任せられている」と感じられることがモチベーションになります。
(3) 頑張りを見て声をかける
成果だけでなく、日々の努力をきちんと認める言葉を届ける。「よく頑張ってるね」「本当に助かってるよ」という一言が大きな力になります。
この3つをするだけで部下は成長してくれます。
まとめ:人事制度は「小さく始めて大きく育てる」
人事制度は、立派なマニュアルや分厚い資料である必要はありません。
「小さく作って、大きく育てる」くらいの感覚で、気軽に始めてみませんか。
社長が「こういう人材に育ってほしい」と願っているなら、その想いを見える形にして、従業員と共有することが、組織の成長につながります。
実際、従業員に関する悩みを抱える社長さんの多くが、「人事制度なんてウチにはまだ早い」と言います。けれど、悩みがある今だからこそ始めるチャンスだと思います。
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