はじめに
社会保険労務士として19年間、さまざまな規模・業種の職場を見てきました。
その中で、労使の人間関係が安定していて、空気もよい職場は、驚くほど少数です。
多くの職場では、
- 報連相が不足している
- 感謝が言葉にならない
- 対話がない
こうしたことが積み重なり、やがて不信感や離職につながっています。
そして、その原因の多くは「管理職の日常の振る舞い」にあります。
職場の空気は、管理職がつくる
部下は毎日、上司の言葉や態度から、
「ここは安全な場所か」「自分は尊重されているか」を判断しています。
理念や制度が立派でも、管理職が部下を雑に扱えば、職場の空気は確実に悪化します。
逆に、管理職が行動を少し変えるだけで、雰囲気は改善し始めます。
問題は、多くの管理職がその影響力に気づいていないことです。
経営者が、管理職に伝えるべき4つの基本姿勢
管理職に必要なのは、業績管理の技術だけではありません。
部下との関わり方を教えることが必要です。
特に重要なのは、次の4つです。
- 部下の話を最後まで聴く
「要するに、こういうことだろ?」と途中で遮る管理職は多いです。正直、ムッとします。
部下が、何を言いたいかではなく、「何を感じているか」を聴くよう伝えましょう。
これだけで、信頼関係は大きく変わります。 - 「ありがとう」を日常的に伝える
当たり前の仕事でも、感謝を言葉にする習慣をつけさせます。
「やって当然」は必ず伝わり、部下のモチベーションは下がる一方。
一方、感謝を言葉にする管理職のもとでは、部下も前向きに働けます。 - 間違えたら素直に謝る
できている管理職は、本当に少ないです。
部下は、上司の「謝れる姿勢」を見ています。
完璧な上司ではなく、誠実な上司を求めています。
管理職が謝れる組織では、ミスを隠す文化は生まれにくくなります。 - 忙しい時ほど丁寧な言葉を使う
余裕がない時こそ、人間性が出ます。
忙しさを理由に部下に当たる管理職は、信頼を失います。
「忙しくても、態度を変えない」それを貫ける管理職が、部下から信頼されます。
管理職を育てるのは経営者の役割
「数字を上げられる人」を管理職にするだけでは、職場は良くなりません。
人を育てられない管理職が増えると、優秀な人から離れていきます。
管理職研修では、
- 部下との関わり方の基本
- 自分の行動を振り返る機会
- 具体的な対応の練習
といった内容を組み込むことが効果的です。
まとめ
職場の人間関係は、制度ではなく日々の行動でつくられます。
管理職の態度が変われば、職場の空気は確実に変わります。
4つすべてを一度に実践する必要はありません。
まずは一つ、行動を変えてみましょう。
それだけでも、数か月後には職場に変化が見え始めるはずです。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
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