はじめに
「最近、社員が定時になると一斉に帰ってしまう」
「誰も会議で発言せず、沈黙ばかり」
「毎日残業しているのに、利益が全然残らない」
もしこんなサインが出ていたら、会社は“なんとなくうまくいっていない状態”に陥っているのかもしれません。
原因は一つではありませんが、解決の第一歩は 「対話」 です。
現場の声を丁寧に拾うことで、改善の糸口が見えてきます。
うまくいっていないときのよくある症状
会社がうまく回っていないとき、現場には次のような症状が現れます。
- ミス多発:同じヒューマンエラーが月に2回以上繰り返される
- 顧客クレームの増加:対応のバラつき・伝達漏れが原因
- 利益が薄い:残業は増えるのに粗利率が低下
- 納期遅延の常態化:一部の工程に負担が集中
- 会議の形骸化:決めたはずのことが翌週には曖昧に
放置すれば、顧客離れ・売上減少・優秀社員の離職につながり、会社は一気に傾きます。
よくある原因
多くの経営者が口にするのは「うちの会社は個人商店みたいだ」という声です。
チームで働いているはずなのに、バラバラに動いているのです。
その背景には次の構造的問題があります。
- 仕組み化されていない(属人化)
手順が口伝、マニュアルが旧版のまま。誰かが休むと仕事が止まる。 - 情報が共有されていない
引き継ぎ漏れ、伝達不足が常態化。 - 同じ方向を向いていない
部署ごとに優先順位が違い、全体最適より部分最適が先行。
結果として、社員は「自分の判断」でしか動けず、組織の一体感は失われます。
改善のためにやるべきこと
この状況を立て直すために、経営者がまずやるべきことはシンプルです。
1. 一人ひとりと面談する
- 「今の仕事で困っていること」
- 「会社が良くなるためにできること」
こうしたテーマで丁寧に対話し、社員の声を引き出しましょう。
2. 対話の結果をチームに還元する
個別面談で得た意見を整理し、全体ミーティングで共有。
「みんなで同じ方向に進む」ための目標を再確認します。
3. 小さな改善を一緒に始める
いきなり大改革ではなく、
- 情報共有のルールを決める(チャットや共有フォルダの活用)
- 週次10分での短い振り返りを導入する(短時間・高頻度)
- 見える化:「誰が・何を・いつまでに」をタスクボードで一覧化
小さな成功体験を積み重ねることが、改善の最大のエンジンになります。
やってはいけないこと
- 叱咤激励だけ:怖くて意見を言えず、現場が黙り込む。
- 施策の乱発:ルールが毎週変わり、混乱と不信感を招く。
- 犯人探し:個人のせいにして、本当の原因が見えなくなる
こうした姿勢は「この人、現実が見えていない」と社員に映り、心の距離を広げるだけです。
自己診断チェックリスト:あなたの会社は大丈夫?
- 同じミスが月に2回以上繰り返されている
- 社員が「どうせ言っても無駄」と口にする
- 会議で決めたことが翌週には曖昧になっている
- 残業は増えているのに利益は減っている
- 部署ごとに目標がバラバラで一体感がない
※3つ以上当てはまったら「会社がうまく回っていないサイン」です。
まとめ
職場がうまくいかないとき、経営者は仕組みや制度のせいにしがちです。でも、本当の解決は「従業員との対話」から始まります。
- 本気で聴く
- 一緒に目標を決める
- 小さな改善を積み重ねる
この流れを続けることで、組織は必ず変わっていきます。
放置すれば、優秀な社員から辞めていきます。
でも、経営者が一歩踏み出して“聴く姿勢”を持てば、組織は必ず甦ります。
「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。
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