「誰も何も言わない」ほど、よく見られている
会社では、社長の一言や一動作を、社員は静かに見ています。「表情」「声のトーン」「メールの書き方」「叱り方・褒め方」…
意外なほど、社員は細かいところまで見ているのです。
でも、多くの社長さんはこう言います。「みんな何も言わないから大丈夫だよ」と。
社長、それは違います。社員が何も言わないのは、納得しているからではなく、諦めているからかもしれません。
社長はいつもステージの上にいる
社長の発言は、職場の空気を左右します。たとえば、
- ちょっとした冗談のつもりで言った一言が、社員を傷つける
- 書類を乱暴に置いただけで「機嫌が悪い」と思われる
- 「忙しい」と言いながらゴルフに行くと、士気が下がる
そんな小さな動きが、社員には全部見えています。社長は気づかなくても、社員はカメラのように見ているんです。
社員は、社長の鏡
社員は、社長の背中を見て育ちます。
- 社長が挨拶をしない会社は、社員も挨拶しなくなる
- 社長が感謝を言葉にしない会社は、社員同士の感謝も減っていく
逆に、社長が誠実で、社員に丁寧に接している会社は、自然と人間関係も穏やかで、定着率も高くなります。
社員は、社長の言葉ではなく、「姿勢」を見ています。
「社長だから何をしてもいい」は一番危険
「自分は社長なんだから、多少のことはいいだろう」
そう思った瞬間、会社はゆっくりと崩れ始めます。
反対に、
「社長というのは、社員とお客様に支えられている役割のひとつ」と考える社長ほど、社員の信頼を集めます。
謙虚な姿勢は、言葉よりも強く伝わります。そして、それは会社の文化になっていきます。
まとめ:誰も言わないからこそ、気づく力を
社員は社長に従順です。だからこそ、社長自身が「鏡」を見るように自分を振り返ることが大切です。
- 今、自分の言葉で社員は動きやすくなっているか?
- それとも、萎縮していないか?
誰も注意してくれないからこそ、社長自身で気づく力を持つこと。それが、信頼されるリーダーの第一歩です。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士 竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
人が辞めない職場づくりと、経営者の信頼構築を支援しています。
「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。
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