【建設業向け】資材整理や見積確認、実は「事務所等労災」が必要です

はじめに:建設業の労災保険、実は2種類あります

建設業では、労災保険といえば「工事現場でのケガ」を思い浮かべる方が多いと思います。

しかし実は、特定の工事現場に付随しない業務を行う場合、
別途“事務所等労災保険(継続事業)”という別の保険を成立させる必要があることをご存知でしょうか。

「そんなの知らなかった」という経営者の方、多いのではないでしょうか?

詳しくは厚生労働省のリーフレットもご参照ください
建設業の事業主の皆さまへ

「事務所等労災」が必要な作業とは?(重要)

具体例

  1. 土場・資材置き場等での整理作業所属事業場施設内での作業
    型枠・重機・工具の清掃、整理整頓・メンテナンス など
  2. 見積りのために取引先へ現場確認に行く作業
  3. 事業として行わない防災・災害復旧・除雪作業
  4. 自社施設の修繕(工期なし・突発的作業など)

これらは「特定の工事に付随しない」ため、工事現場の労災ではなく、事務所等労災で対応する必要があります。

未加入のリスク

  1. 現場以外でのケガは「事務所等労災」で請求します
     →現場労災で請求することはできません
  2. 未加入のまま給付が行われると、
     →事業主へ給付費用の全部または一部が請求される可能性があります

保険の成立手続きは?

「事務所等労災」が必要なのに、まだ手続きしていない場合は、事業所所在地を管轄する労働基準監督署で手続き可能です。

保険料の計算で気をつけること

事務所等労災の保険料を出すときは、

  • 該当作業に従事した日数・時間に応じて賃金額を算出
    ※出勤簿などの根拠資料が必要
  • もし記録がない場合は、実態から推算して計算可能
    日頃から記録を残すことをお勧めします

まとめ

建設業では、“現場以外”で行う作業がすべて現場労災になるわけではありません。
次の条件に当てはまる場合、事務所等労災(継続事業)が必要です。

  • 現場ではない場所で作業を行う
  • 元請工事に直接関係しない
  • 工期拘束がない作業である
  • 自社施設での整理・修繕・確認作業である

「知らなかった」では済まされない重要な制度です。
該当する業務がある場合は、ぜひ早めに確認することをお勧めします。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたらご相談ください。状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。

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