はじめに
「雇用保険に入っているから、いざという時には失業給付がもらえるはず」
そう思っているパートさんも多いでしょう。ですが、実際には条件を満たせず、いざ退職した時に失業給付を受けられない、というケースが少なくありません。
よくあるケース
たとえば、
- 入社当初は週20時間以上勤務していたが、子育てや介護の都合でシフトを減らした
- 繁忙期が過ぎて勤務日数が自然に減り、気づけば月の労働時間が短縮されていた
こうした変化の結果、雇用保険に加入していても「失業給付の受給要件」を外れてしまうことがあるのです。
失業給付の受給要件
失業給付(基本手当)の受給要件は、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間(賃金が支払われた日が11日以上または80時間以上ある月)が12カ月以上あること等があります。
ところがパートの働き方は月によって大きく変動しますので、いつの間にかこの要件を満たせなくなっていた、なんてことはままあります。
影響は失業給付だけじゃない
さらに、雇用保険に加入しているパートを対象にした助成金にも影響が出ます。
制度を活用しようとした時点で、被保険者要件を満たしていないことが発覚し、助成金支給対象外となるケースもあります。
どう防ぐか
- 雇用保険の仕組みを理解すること
→ 「入っていれば安心」ではなく、受給要件をきちんと把握しておく。 - 労働日数や労働時間を定期的に確認すること
→ 月ごとに変動しやすい働き方だからこそ、見直しが欠かせません。 - 早めに専門家へ相談する
→ 就業規則や雇用保険の扱いは複雑。迷ったら社労士や労務担当に確認を。
まとめ
パート勤務は働き方が柔軟な反面、失業給付の要件を外れてしまうリスクがあります。いざという時に「もらえない」という事態を避けるためにも、雇用保険のルールを知り、日々の労働時間をきちんと管理することが大切です。
さらに、これはパート本人だけでなく、経営者や労務担当者にとっても重要です。管理を怠れば助成金の対象外となる可能性があり、会社にとっても大きな損失になりかねません。
「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。
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