はじめに
「扶養の範囲内で働きたいのですが、130万円を超えるとどうなりますか?」
パートや主婦の方からよく受ける質問です。
特に多いのが、「社会保険の扶養は過去の年収で判断される」 という勘違い。実はこれは誤りで、社会保険では「今後の収入見込み」で判断されます。
社会保険の扶養要件(130万円の壁)
社会保険で被扶養者になれる要件の一つに「年間収入130万円未満」という基準があります。
ここで注意したいのは、判断基準は「今後の収入見込み」 だということです。
例:
Aさん(夫は会社員)は月収20万円で働いていましたが、9月末に退職。その後は専業主婦となり、今後の収入は0円になります。
この場合、過去に月20万円の収入があったとしても「今後は収入なし」なので、社会保険上は夫の扶養に入れるのです(その他の要件も満たす前提)。
税法上の扶養(配偶者控除)との違い
一方で、所得税の配偶者控除や配偶者特別控除は、1月~12月の実際の収入額 で判断されます。
この違いを混同して、「社会保険の扶養も過去の収入で決まる」と誤解している人が多いのです。
つまり、次のような明確な違いがあります。
- 社会保険の扶養 → 今後の収入見込みで判断
- 税法上の扶養 → 過去1年の収入額で判断
まとめ
社会保険の「130万円要件」は過去の収入ではなく、今後の収入見込みで判断されます。ここを勘違いすると、扶養の扱いを誤り、手続きの遅れやトラブルにつながりかねません。
また、税法上の扶養とは判断基準が異なるため、両方を整理して理解することが大切です。
パート本人はもちろん、会社で社会保険を担当する方も要注意。仕組みを正しく理解し、早めに確認・相談することが安心につながります。
詳細は、日本年金機構のサイトをご覧いたただければと思います。
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