基本給を勝手に下げるのは違法! 知らないと危ない賃金ルール

はじめに

「業績が厳しいから…」「あの社員の働きぶりがイマイチだから」
そんな気持ちから、つい“給料を下げたい”と思ったことはありませんか?

社長さんのお考えや事情は、私もよく理解できます。

でもその一方で、従業員にとって基本給は「生活の土台」であり、
「約束された信頼」そのもの。

それを一方的に減らされたら、心の支えを失ったように感じてしまうのです。

勝手に賃下げするとどうなるか

給料を下げられた社員の気持ちは、想像以上に重たいものです。

  • 「どうせ自分なんて大事にされていない」
  • 「この会社で頑張っても意味がない」
  • 「裏切られた」と恨みを持つ

こうした感情は、やがて働く意欲の低下や退職につながります。
そして、残った社員の信頼まで揺らぎ、会社全体に暗い空気が広がってしまうのです。

さらにトラブルがこじれれば、労働基準監督署や裁判に発展することもあります。
感情的な賃下げは、必ず倍になって返ってきます。

賃下げに同意は必須!法律がそう決めている

労働契約法では、こう明記されています。

「労働契約の変更は、労働者と使用者が合意すればできる」

裏を返せば、本人の同意がなければ賃下げはできないということです。
感情的に行えば、法的リスクと信頼喪失の両方を背負うことになります。

※詳細はこちら→「労働契約法のポイント 」

本当に必要なら「話し合い」が必須

どうしても賃下げが必要な場合は、次の手順を守りましょう。

  • 会社の状況を包み隠さず説明する
  • 一方的に告げるのではなく、本人の声を聴く
  • 同意を得たうえで書面に残す

これを怠ると、あとから「同意していない」と争いになるリスクが高まります。
時間も労力もかかりますが、信頼を守りながら決断するには不可欠な手順です。

給料を減らさずに会社を守る方法

私が顧問先で見てきたケースでは、賃下げ以外の道が見つかることも多くあります。

  • 社員教育で成果を伸ばす
  • 業務の効率化でコストを削減する
  • 人事評価の仕組みを見直し、成果と処遇を結びつける

安易に「給料を減らす」という選択肢を取る前に、ぜひ他の方法を検討してみてください。

まとめ

経営者は孤独な決断を迫られることが多いものです。
でも、基本給を一方的に下げることだけは避けてほしいと思います。
従業員の生活と信頼を壊してしまうからです。

どうしても必要な場合は、必ず話し合いと合意のプロセスを踏みましょう。
きっと、その誠実さが会社を守り、社員を支える力になるはずです。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

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