結論
就業規則の作成や運用については、我流ではなく、社労士に依頼しましょう。
就業規則を作る目的
1.助成金を狙う
助成金は、「就業規則」があることが前提になっているものがほとんどです。
しかし、次のようなハードルがあります。
- 就業規則は、最新の法律が反映され、かつ、その助成金が求める内容になっていること
- 就業規則と雇用契約書、給与計算の三者に、齟齬がないこと 等
少しハードルは高いですが、就業規則をしっかり作っておけば、要件を満たす限り、何回でも同じ助成金が申請できますので、結果的にお得です。
2.職場の秩序が乱れないようにする
やるべきこと、やってはいけないことなどのルールを具体的に規定し、違反者には、就業規則の服務規定等に基づき、公正公平に注意指導し、職場の秩序が乱れないようにします。
罰するのが目的ではなく、予防することが目的です。
3.従業員に安心して働いてもらう
賃金の計算方法、労働時間、休日、休憩時間等のルールが、就業規則という法的な書面でルール化されていることで、従業員は安心して働けます。
さらに、「どういうことができるようになれば評価され、昇給するのか」といった人事評価の仕組みをガラス張りにすることで、従業員に目標ができ「この会社で腰を据えて働こう!」となります。
4.職場を統率し、生産性を向上させる
就業規則で大事なのは「運用」です!
職場内のギスギスは、次のようなささいなことから始まります。
- ルールが明確ではない
- ルールを守らない人を放置する
- 不公平・えこひいきが蔓延している
せっかく作った職場のルールを、社長さんの机の中に眠らせていませんか?
このルールを適切に運用することで、組織は統率され、生産性は向上していきます。
会社で作った就業規則の問題点
「就業規則はうちで作ったものがあるから大丈夫」とおっしゃる会社さんの、就業規則のよくある問題点は以下の通りです。
- 最新の規定になっていない(法律違反状態)
- 解釈を間違えて運用している(不信感を持たれます)
- 委任規程がない
(例)「「▲▲規程」に基づく。」の「▲▲規程」が存在しない - 各条文でつじつまが合わない
(例)あっちでは「ある」なのに、こっちでは「なし」となっている等 - 労働者に有利な内容になっている
- 育児介護休業規程、非正規労働者の規定が無い
- 就業規則の規定と実際の運用が合っていない(割増賃金、休職など) 等
法的に不備があると、かえってトラブルの種になります。
実際に紛争になった場合は、この就業規則が矢面に立たされ、会社側が不利になることがあります。
社労士に依頼するメリット
法的な場面で矢面に立たされる就業規則は、リスクヘッジの観点から、社労士に任せた方がメリットはあります。
それ以外にも、次のようなメリットがあります。
- 社労士と就業規則を作ることで、「今後会社をどうしていきたいのか」が整理できる
- 最新の法律を知ることができる
- よくあるトラブルや、その解決方法を知ることができる
- 給与の計算方法、手当の決め方、効率的な労働時間制の選択などのレクチャーを受けることができる
- 助成金受給に対応した規定にできる
- 採用方法、労務管理の肝などを知ることができる
- 正しい運用を指導してもらえ、労使トラブルの予防ができる
まとめ
従業員と紛争になったとき、相手方から必ず就業規則を求められます。
そのときに耐えられる就業規則になっていることは大事なことです。
また、使い方次第で、組織を統率し、生産性を向上させることができます。就業規則はただのお飾りではありません。
そのような大事な就業規則の作成や運用は、やはり専門家である社労士に依頼することをお勧め致します。
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