【A】「できる人」は文句を言わず限界まで我慢し、そして静かに離れていきます。
あなたの職場にも、こんな人はいませんか。
- 頼めばすぐ動いてくれる
- ミスが少なく、仕事が早い
- 周囲の状況にもよく気がつく
いわゆる「できる人」です。
最初は本人も、「頼りにされている」「期待されている」と感じ、前向きに引き受けます。
でも、その状態が続くと、少しずつ変化が起きます。
優秀な人が抱える、声に出ない不満
優秀な部下ほど、愚痴を言いません。だからこそ、周囲は気づきません。
でも、心の中ではこう感じています。
- 「なんで私ばかり?」
- 「できない人は放置されているのに」
- 「評価は増えないのに、仕事だけ増える」
最初は小さな違和感です。
でも、それが積み重なると、
- 声をかけられても反応が遅くなる
- 会議で発言が減る
- 仕事はするが、熱量が下がる
そしてある日、転職という選択肢が静かに浮かびます。
会社側にありがちな「無自覚な甘え」
この状況は、部下の問題ではありません。
多くの場合、会社(上司)側の無自覚な甘えです。
- 「あの人に頼んだ方が早い」
- 「ミスされたら困るから」
- 「どうせ分かってくれる」
結果として、
- 負担が集中し
- 本来やるべき人は育たず
- 優秀な人が疲弊して去っていく
優秀な一人を失う損失は、給与数ヶ月分では済みません。
その人が持っていたノウハウ、チームの士気、そして採用し直すための膨大なコスト。
それらを考えれば、「仕組み」を整える方がはるかに安上がりです。
対策①:まず「役割」と「責任」を分ける
優秀な人がフォローしている仕事は、
- 本来、誰の役割なのか
- なぜ、その人がやっているのか
を一度、整理する必要があります。
大切なのは、
- 「助ける」と「代わりにやる」を混同しない
- できない人の仕事を奪わない
- できるように育てる前提を持つ
という視点です。
対策②:「評価」と「感謝」は必ずセットで
優秀な人ほど、黙ってがんばります。
だからこそ、上司が意識的に言葉にする必要があります。
- 「助かった」
- 「あなたのおかげで回っている」
- 「チームの成果として評価している」
感謝だけでなく、評価に反映されているかが重要です。
それだけで、優秀な人のモチベーションは大きく変わります。
対策③:「上司の甘え」を自覚する
上司自身に、こう問いかけてみてください。
- この仕事、本当にこの人でなければダメか
- 代替できる仕組みを作ろうとしているか
- 「楽だから頼んでいる」になっていないか
優秀な部下に頼るのは悪いことではありません。
でも、頼ることが前提になった瞬間、それは甘えになります。
まとめ
優秀な人は、便利な人ではありません。彼らは、組織の未来を支える貴重な存在です。
その力を活かすには、
- 役割を曖昧にしない
- 努力を見える形で評価する
- 上司が「頼りすぎ」に気づく
この3つが揃って初めて、「できる人が辞めない職場」になります。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
※職場の状況によって、適切な対応は異なります。
もし、「これはうちの職場だけの問題なのか?」「どこから整理すればいいのか分からない」と感じた場合は、一度ご相談ください。




