【A】完璧主義をやめさせようとするのではなく、「どこまでやれば十分か」を具体的に示してみましょう。
完璧主義は性格ではなく、判断基準が曖昧な環境で強く出やすい傾向があります。
なぜ完璧主義が強くなるのか
- 失敗すると怒られる
- 評価基準が不明確
- 目的と完成度が共有されていない
こうした環境では、真面目な人ほど「念のため」「もっと良く」を積み重ねてしまいます。
真面目な人ほど陥る「完璧主義の罠」
すべての仕事には目的があります。
そして、目的によって求められる完成度も、かける時間も変わります。
- 社内の朝礼用→要点が伝われば10分で十分。
- 取引先への提案資料:信頼を左右するため数時間かけて丁寧に。
- 給与計算→正確性が命。ミスゼロが絶対条件。
しかし目的が共有されない職場では、真面目な社員ほど「すべての仕事を完璧に」と頑張りすぎ、
- 上司:「そこまでやらなくていいのに」と感じ、
- 本人:「頑張っても評価されない」と落ち込みます。
結果、誰も得をしない努力のすれ違いが起こります。
上司ができる具体策
- 目的とゴールをセットで伝える
NG:「この資料、作っておいて」
OK:「明日の朝礼で使う。目的は新プロジェクトの概要共有。
A4で1枚、箇条書きで要点がわかればOK。30分で仕上げて」 - 制限時間を設ける
「この確認は15分以内で」など、時間を枠で示す。
完璧主義な人ほど作業を区切りやすくなります。 - 時間を記録する
業務ごとの所要時間をざっくりメモする。
「どの作業にどれだけ時間を使っているか」が見えてきます。
当事務所でも「〇〇業務:30分」と簡単に記録しています。 - 中間報告の推奨
まずは6割〜8割の出来で、一度見せてもらう仕組みを作る。
すると、方向性のズレも防げ、完璧主義な人の不安も解消されます。 - 定期的に振り返る
月に一度、チームで「時間の使い方」を見直す。
「ここは短縮できる」「ここはもっと丁寧に」などの気づきが生まれます。
生産性向上にも寄与
指示を具体化して残業を減らすことは、単なる時短ではなく、
「集中力の高い、ミスの少ない組織」を作ることでもあります。
これは究極の労働災害防止にも繋がりますね。
まとめ
完璧主義の裏にあるのは、「ちゃんとやりたい」「評価を下げたくない」という気持ちです。
その思いを否定するのではなく、安心して「ここまでで十分」と判断できる基準を示すことが、
結果として時間短縮にも、成長にもつながります。
『真面目すぎて遅い』という状態は、裏を返せば、それだけ仕事に責任を持っているということ。
そのエネルギーを正しい方向に向けさせてあげるのが、上司の役目です。
部下の肩の力を抜き、力を発揮できる環境づくりを、仕組みとして一緒に考えていきましょう。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
※職場の状況によって、適切な対応は異なります。
もし、「これはうちの職場だけの問題なのか?」「どこから整理すればいいのか分からない」と感じた場合は、一度ご相談ください。






