【働くあなたへ】ミスをしたとき、言い訳せずに自分を守る報告のコツ

はじめに:ミスは誰にでもある

「仕事でミスをしてしまった…。」 誰もが経験することです。

そんなとき、つい、

「初めてやる仕事だったので」
「聞いていなかったので」

と説明したくなりますよね。それは自然な反応です。

でも、その伝え方次第で、状況が良くなることもあれば、かえって関係がこじれることもあります。

この記事では、ミスをしたときに自分を守りながらも、建設的に状況を改善する方法をお伝えします。

なぜ防衛的になってしまうのか

ミスをしたとき、つい言い訳っぽくなってしまうのには理由があります。

  • 過度に責められる経験をしてきた
    以前、ミスを強く叱責された経験があると、自己防衛が先に立ちます
  • 教育やサポートが不十分だった
    十分な説明や研修がないまま任されていた場合、それを伝える必要があります
  • 心理的安全性が低い職場
    失敗を報告しにくい雰囲気があると、つい理由を並べたくなります

あなたが防衛的になる場合、それは職場環境にも原因があるかもしれません。
防衛的になること自体が悪いわけではありません。それは、自分を守ろうとする自然な反応です。

効果的な報告の3ステップ

ステップ1:事実を簡潔に報告する

まず、起きた事実を感情抜きで伝えます。

例: 「○○の処理で、△△の手順を誤り、結果として××になってしまいました」

ステップ2:背景や状況を説明する(必要な場合)

「言い訳」と「正当な説明」は違います。
以下のような状況は伝えましょう。

  • 初めて担当する業務だった場合
  • マニュアルや引き継ぎがなかった場合
  • 通常と異なるイレギュラーな状況だった場合
  • 必要な情報が共有されていなかった場合

例: 「この業務は今回初めて担当しました。マニュアルを確認しましたが、このケースについての記載がなく、判断に迷いました」

ポイント: 「だから仕方ない」ではなく、「こういう状況でした」と事実として伝える

ステップ3:改善策を提案する

ここが最も重要です。
同じミスを防ぐために、あなたができることを提案します。

例:

  • 「今後は、イレギュラーなケースの場合は判断前に確認します」
  • 「このケースをマニュアルに追加していただけると、他の方も助かると思います」
  • 「チェックリストを作成して、手順を確実にします」

ポイント: 自分だけでなく、組織全体の改善につながる提案ができると理想的

不当な責任追及から身を守る方法

すべての上司が理解ある人とは限りません。
不当に責められたときの対応も知っておきましょう。

こんな場合は毅然と対応を

  • 十分な教育がなかったのに「できて当然」と言われる
    → 「この業務については研修や引き継ぎを受けていませんでした。今後、どのように学べばよいでしょうか」
  • 感情的に叱責される
    → 「改善したいので、具体的に何をすればよいか教えていただけますか」と冷静に対応
  • パワハラレベルの言動
    → 記録を取り、人事や相談窓口に相談することも検討

記録を残す習慣

  • 業務の指示を受けたとき(誰から、いつ、何を指示されたか)
  • 相談したが回答が得られなかったとき
  • 不当な叱責を受けたとき

これらをメモやメールで残しておくと、後で自分を守る材料になります。

まとめ

  • ミスは誰にでもある (完璧な人はいません)
  • 説明と言い訳は違う (必要な背景情報は伝えてOK)
  • 改善提案がカギ(前向きな姿勢が信頼につながります)
  • 不当な扱いには毅然と(自分を守ることも大切です)

ミスをしたとき、「自分はダメだ」と思う必要はありません。むしろ、それをどう次に活かすかが、あなたの成長と職場の改善につながります。

健全な職場なら、ミスは学びの機会として受け止められるはずです。
もしそうでない場合は、職場環境そのものを見直す必要があるかもしれません。

あなたの働きやすい環境づくりを応援しています。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

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