はじめに
「あの人がいないと仕事が回らない」
そんな状態になっていませんか。
一見すると、頼れるエースがいる良い会社のように見えます。
しかし、その状態が続くほど、組織は静かに弱っていきます。
会社の未来を決めているのは、実は、毎日黙々と働く「普通の社員」かもしれません。
262の法則が教えてくれる、もう一つの事実
組織には、よくこんな分布があると言われます。
- 上位2割:成果を出している人
- 中間6割:標準的に働いている人
- 下位2割:成果が出ていない人
ここで、よくある誤解があります。
「上位2割は優秀、下位2割はダメ」
しかし、262の法則は、人の価値ではなく、今の成果の分布を示しているだけです。
なぜ「中間6割」が最重要なのか
中間6割の社員には、共通点があります。
- 指示があればきちんとやる
- 大きな問題は起こさない
- でも、自分から前に出ることは少ない
だから、この層は放置されがちです。
しかし、この層こそ、一番伸びしろがあります。
- 少し期待されるだけで、動き出す
- 小さな成功体験で、自信を持つ
- 評価されると、驚くほど頑張る
6割が少し前を向くだけで、会社の空気は一変します。
上位2割に頼りすぎる会社
エースに仕事が集中します。「この人がいないと回らない」
一見すると頼もしい状態ですが、実は組織としては危険な状態です。
やがて、
- エースが疲弊する
- 他の社員が育たない
- ノウハウが属人化する
そして、もしエースが辞めれば、組織は一気に弱ってしまいます。
上位2割は、会社を支える柱ではありません。
中間6割を引き上げるエンジンとなる存在です。
下位2割を「切ればいい」と考える前に
成果が出ない社員を前に、こう思ったことはありませんか。
「正直、もう厳しいのでは…」
でも一度、立ち止まってみてください。
- 仕事の説明は十分でしたか
- 配置は本当に合っていましたか
- フィードバックはしていましたか
- 上司との相性はどうでしたか
社員の問題というより、会社側の関わり方の問題であることも少なくありません。
中間6割を動かす5つのこと
ここだけは押さえてください。
- 小さな成功体験をつくらせる
いきなり高い目標は不要です。
「できた」と思える仕事を一つつくります。 - 良かった点を、言葉にする
「助かった」「ありがたい」
それだけで人は変わります。 - 「期待している」と伝える
多くの社員は、自分が期待されていると感じていません。 - 成長の道筋を見せる
「何を身につければ、次に進めるか」を具体的に示します。 - 任せる
完璧じゃなくていい。任された経験が、人を育てます。
まとめ:会社を変える力は、真ん中にある
会社を変える力は、特別なエースだけが持っているわけではありません。
毎日、黙々と働いている「普通の社員」。
この人たちが認められ、期待され、前を向いたとき、
組織は確実に強くなっていきます。
強い会社とは、エースだけで回る会社ではなく、
普通の社員が前を向いて働ける会社ではないでしょうか。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
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