「いい人がいない」と嘆く前に。育つ人を迎える採用

はじめに:「いい人がいない」という言葉の裏側

「面接には来るけれど、決め手がない」
「条件は悪くないのに、何か違う」

多くの経営者がそう感じ、そして、こう思います。
「もう少し待てば、いい人が来るかもしれない」

でも、そのいい人、本当に今の会社に来るでしょうか。

大手や有名企業が欲しがるような人材を、中小企業が同じ条件で待ち続けるのは、かなり厳しい戦いのように思います。

優秀な人を探すほど、採用は難しくなる

「即戦力で、経験があって、主体的で…」

そうした条件を並べるほど、採用のハードルは上がっていきます。
でも、本当に必要なのは最初から完璧な人でしょうか。

多くの現場で実際に求められているのは、

  • 約束を守れる
  • 挨拶ができる
  • わからないことを聞ける
  • 誠実に向き合える

こうした、ごく基本的な姿勢だったりします。

スキルは、後から教えられます。
でも、この「基本」は、後から身につけるのは難しいと感じています。

面接で見ておきたいのは「人となり」

履歴書や職歴よりも、面接で見てほしいポイントがあります。

  • 時間を守って来ているか
  • 会話が一方通行になっていないか
  • 失敗を正直に話せるか
  • 他人や前職のせいにしていないか

こうしたところに、その人の土台が表れます。
「伸びるかどうか」は、ここでほぼ決まります(実感)。

採用は現場と一緒に考える

採用基準を、経営者だけで決めていませんか。
実際に一緒に働くのは、現場の社員です。

「どんな人なら助かるか」
「どんな人だと正直しんどいか」

現場の声を聞くと、条件はシンプルになります。

  • 時間を守る
  • 挨拶をする
  • 周りに配慮できる

その基準を共有した上で採用すると、「自分たちで選んだ仲間」という意識が生まれ、育てようとする空気も自然に育つのではないでしょうか。

採用はゴールではなくスタート

基本的な資質があっても、放置すれば人は辞めます。

中小企業の強みは、「丁寧に育てられること」です。

  • 最初の教育担当を慎重に選ぶ
  • 相談できる相手をつける
  • 小さな成功体験を積ませる
  • 良かった点を言葉にする

育成がある会社に、人は残ります。

そして何より大切なのは、「育てている人が、きちんと評価されているか」。
育成が評価されない会社では、誰も本気で人を育てません。

まとめ:人材は待つものではない

「いい人がいない」のではなく、「育つ人を迎える準備」ができていないだけかもしれません。

  • 優秀さより、基本を見る
  • 現場と一緒に基準を決める
  • 採用後の育成を仕組みにする

この3つを整えるだけで、採用と定着は、確実に変わります。

人材は、探すものではなく、育っていくもの。

その前提に立ったとき、中小企業の採用は、現実的で強いものになります。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。

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