割増賃金の計算でよくあるミス3選/時間単価・手当の落とし穴

助成金の審査が止まってしまった

「助成金の審査が止まってしまった」
山田社長は、困り顔で電話をかけてきた。

「助成金センターから、『残業代の計算方法を教えてください』と言われて。
うちは毎月ちゃんと残業代を払っているつもりなんですが」

「社長、月給の時間単価、どうやって計算していますか?」

「……月給を、だいたいの時間で割っています」

「その『だいたい』が問題になっているんだと思います」


審査はその後もストップしたままだった。
計算方法の説明、不足分の支払い、給与明細と振込書類の提出を経て、
助成金の審査が完了するまで、さらに数ヶ月かかったそうだ。

割増賃金の基本

月給制の場合、まず「月平均所定労働時間」を使って時間単価を計算します。

その時間単価に、時間外(1.25倍)、法定休日(1.35倍)、深夜(0.25倍)などを掛けて、割増賃金を算出します。

よくある間違い

  1. 月平均所定労働時間の求め方
    月額の時間単価を算出する際に使うのは「月平均所定労働時間」です。
    これにより時間単価が変わってきますので、結果として、未払い賃金が発生してしまうことがあります。
    【参考資料】『しっかりマスター労働基準法 割増賃金編』

  2. 割増賃金の計算に含めるべき手当が抜けている
    まれに、基本給のみで割増賃金を計算しているケースが見受けられます。
    また、除外できる手当(家族、住宅手当等)の例外を勘違いしているケースもあります。

    まずは、こちらでご確認ください。
    【参考資料】『割増賃金の基礎となる賃金とは?』

  3. 休日出勤手当を、実労働時間ではなく、「一定額」で支給している
    実労働時間で算出した金額が、この「一定額」を下回っていると、未払いになります。

給与計算は複雑で、誤りがあると従業員とトラブルになることが多いです。
特に割増賃金の未払いは、後から指摘されると深刻な問題になりかねません。

正確な給与計算は、従業員との信頼を守る大切なポイントです。

まとめ

割増賃金の計算ミスは意外に多いので、まずは自社の計算方法にリスクがないかを専門家に診断してもらうことをおすすめします。

当事務所でも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

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