はじめに:なぜ労働トラブルが起こるのか
「また社員が辞めてしまった…」
「なぜうちはトラブルが多いのか?」
そんな相談を日々いただきます。
手続き業務だけでなく、労使トラブルへの対応も社労士の重要な仕事ですが、実際に話を伺うと 同じような特徴を持つ社長がトラブルを招いている ことが多いのです。
今回は、社員の信頼を失いやすい“社長の特徴”と、その改善策を具体的に整理しました。
社員が辞める社長の特徴5選
- 約束や時間を守らない、「言ったことをやらない社長」
「明日までにやる」と言ったのに守らない。
自分は遅刻しても平気なのに、社員の遅刻には厳しい。 - 他人に厳しく、自分に甘い
「社員は厳しく叱るのに、自分のミスは笑ってごまかす」
この態度は一気に信頼を失います。
今のリスク:SNSや口コミサイトで「ダブルスタンダードな社長」と拡散され、採用に響く例も増えています。 - 話が長く、説教くさい
伝えたいことが伝わらず、社員は「また始まった」とうんざり。
事例:ある会社では「社長の朝礼は1時間以上」が常態化。社員アンケートで「最大のストレス源」と回答されました。 - 感情的に怒鳴る
注意が「指導」ではなく「怒鳴り声」になると、それだけでパワハラ扱い。
今のリスク:ハラスメント相談窓口への通報、訴訟など、怒鳴り声は経営リスクに直結します。 - 決断力に欠ける
普段は強気でも、いざというときに決めきれない社長に、社員はついてきません。
事例:新規事業の判断を1年以上先送りし、結局撤退。若手社員は「社長に期待できない」と次々に転職しました。
トラブルを防ぐための改善策
- 約束を守ることを徹底する
まずは自分自身が約束を守る。さらに、「約束を守ろう」とチーム全体に発信する。 - 悪口・陰口をやめる
否定ではなく改善提案を受け止める場をつくる。 - 困っている人を放置しない
助け合いの文化をつくる。単に甘えているだけなら指導する。 - 怒鳴らずに言葉で伝える
「冷静に伝える練習」を取り入れる。 - 定期的な対話の場をつくる
月1回のミーティングで「否定しない」「話を最後まで聞く」をルール化。
まずはここから改善していきます。
見逃すと危険!最新の労務課題チェックポイント
- パワハラ認定のハードルが下がっている
怒鳴り声や長時間の説教は、指導ではなくハラスメントと認定されやすい。 - 人材不足で採用競争が激化
「社長が嫌だから辞めた」という噂がSNSに広がると、求人応募が激減。 - 「黙って我慢する」より「外部に相談する」が当たり前に
経営者の行動は以前よりも「外部に筒抜け」と考えるべき。
まとめ:信頼される社長になるために
職場でのトラブルの多くは、「人間関係のすれ違い」から起こります。
「立場が上だから許される」という考え方はもう時代遅れです。
社長と社員も、あくまで人と人との関係。
まずは自分の姿勢を見直すことが、トラブルを未然に防ぎ、信頼される組織づくりへの第一歩です。
社内トラブルでお困りの経営者さまへ
「社員との関係に悩んでいる」「社内の空気が悪い」 そう感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
社労士として、信頼される組織づくりを全力でサポートいたします。
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