「なぜ優秀な経営者ほど人が離れるのか? 忙しさが招く豹変と信頼回復の方法」を投稿しました20250820

上司への不満⑤ 個人情報が雑に扱われる職場で、人は安心して働けない

はじめに

前回は、「あの人がいないと何も回らない」という、属人化の危機について話をしました。➡上司への不満④ 「あの人がいないと回らない」職場に潜む大きな危機

今回は、「個人情報の扱い」に関する社員のリアルな声、職場にひそむ情報だだもれリスクについて掘り下げます。

その情報、誰にでも見えていませんか?

人事制度づくりの前に行う社員アンケートでは、さまざまな本音が見えてきます。
今回ご紹介するのは、「個人情報の扱い」に関する不満です。

日頃のちょっとした油断が、知らず知らずのうちに信頼を損ねてしまっている職場は少なくありません。

社員の声:「これ、ありえなくないですか?」

以下は実際に社員から寄せられたエピソードです。

  • 給与明細ファイルが、誰でも出入りできる棚に置かれていた
  • 給与担当者が雑談の中で「○○さんの給料、意外と高いよね」なんて話していた
  • 「あなたはいくらもらってるの?」と聞いて回る社員がいても、誰も止めなかった
  • 履歴書が、何日も人事担当者の机に放置されていた

などなど、いろいろな不満が出てきます。

社員にとって、こうした状況は「自分の情報も守られていないかも」という強い不安につながります。

見えない火種は、秩序を壊す

個人情報の取り扱いがずさんだと、次のような問題を引き起こします。

  • 社員同士の嫉妬や不信感
  • 評価に対する不透明感
  • 給与や経歴に関するうわさの蔓延

そしてなにより、「あの部署には何を話してもダダ漏れになる」という印象は、組織の土台である「信頼」を根こそぎ奪ってしまいます。

解決策:小さなルールが、大きな安心をつくる

個人情報の管理は、難しいことではありません。次のような工夫だけでも、大きく変わります。

  • 給与明細や履歴書などの重要書類は、鍵のかかる場所や関係者以外が立ち入れない場所で厳重に管理する
  • 情報に触れる担当者には、定期的な誓約書の提出や教育を実施する
  • 「人の情報を話題にしない」ことを、会社の共通文化にする
  • 不適切な言動があったときには、全体へすぐ注意喚起する

まとめ:「信頼」は、見えないところで生まれている

社員の個人情報を丁寧に扱うことは、「自分が大切にされている」と感じてもらうための基盤です。
たった一つの書類の置き方が、組織全体の空気を左右することもあるのです。

だからこそ、管理職や情報を扱う担当者自身が、「情報を守る姿勢」を示すことが重要です。
その小さな姿勢が、職場全体の安心と秩序を生み出していきます。

次回予告

次回は、「ただの名ばかり管理職」への不満と対策について解説していきます。

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