「賞与後、転職を考えるあなたへ/後悔しないための4つの判断基準」を投稿しました20250814

上司への不満⑥ 名ばかり役職者が職場を壊す

はじめに

前回は、社員の信頼を一瞬で失わせる「個人情報の雑な扱い」という見えないリスクについてお伝えしました。➡上司への不満⑤ 個人情報が雑に扱われる職場で、人は安心して働けない

今回は、肩書きだけで中身が伴わない「名ばかり役職者」が、職場の士気と組織力をむしばむ問題を掘り下げます。

部下は上司の姿を見抜いています

人事制度の構築前に行うアンケートでは、毎回のように「役職者のあり方」への不満が寄せられます。
その多くが、「肩書きだけの上司」への失望です。

現場の声:「その肩書き、意味ありますか?」

  • 「上司なのに、やっていることは私たちと変わらない」
  • 「決断も責任も取らないのに、手当だけはついている」
  • 「あの人が上に立っていて、この先本当に大丈夫なのか…」

こうした声は珍しくありません。
部下は、役職に見合う仕事をしていない上司には、敬意も信頼も持てなくなるのです。

原因:役職の「中身」が定義されていない

就業規則には「役職名」と「手当額」が書かれていても、具体的な役割や責任が明記されていないケースが多く見られます。

たとえば部長なら、

  • 社長の代行
  • 部の統括
  • 予算管理
  • 課長の育成

といった役職ごとの責任範囲を明文化する必要があります。

役割を明確にすれば、「役職者としての役割を果たしているか?」を評価しやすくなり、本人の自覚も促せます。

放置のリスク:組織は静かに形骸化する

役職者がその立場にふさわしい働きをしていないと、職場は次第にこうなります。

  1. 部下は不公平感と不信感を抱く
  2. 部下の支持を失い、現場の統率が取れなくなる
  3. 誰もリーダーになりたがらず、人が育たない
  4. 組織が停滞し、成長が止まる

「肩書きだけの上司」がいる職場は、じわじわと力を失っていくのです。

解決策:「役職の定義」を見直そう

  • 役職ごとの役割・期待値を明文化し、就業規則や評価制度に反映する
  • 「役職者としての行動ができているか」を評価基準の中心に据える
  • 定期的な面談やフィードバックで、意識のズレを修正する

こうした整備は、役職者の自覚を促すだけでなく、「なぜこの人が上司なのか?」という納得感にもつながります。

部下が求める「本物の上司」の姿

アンケートで多くの部下が求めるのは、次のような姿です。

(1)率先垂範する人

「上司がやらないことを、なぜ私が?」
口先だけではなく、行動で示してほしい。

(2)丸投げせず、しっかりフォローする人

指示を出すだけで放置、失敗すると部下の責任。
そんな「上司という名の傍観者」に、部下はうんざりしています。

(3)きちんと褒め、必要なら指摘する人

「自分の仕事は評価されているのか?」
曖昧な対応では、やる気も成長意欲も失われます。

⑷規律を乱す人には毅然と対応する人

ルールを守らない人に何も言わない上司は、「公平さ」を欠き、職場の信頼と秩序を壊します。

部下が上司に期待しているのは、責任・判断・行動・育成・規律を担う覚悟あるリーダーです。

まとめ:「役職手当」は、責任と覚悟への報酬

役職とは、肩書きや座る席のことではありません。「責任を引き受け、組織を導く」という覚悟そのものです。

部下は、上司の行動を見ています。
責任を果たそうとする姿勢こそが、信頼と尊敬を生みます。

おわりに:役職者の自覚が、職場を変える

役職はゴールではなく、スタートです。
その立場にふさわしい行動を積み重ねてこそ、真のリーダーになれなます。そしてその姿勢こそが、職場の空気を変え、組織を成長させる力になります。

次回予告(最終回)

次回は、職場における「情報共有の重要性」と、それが欠けていることによる弊害について、実際の不満の声を交えてご紹介します

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