はじめに
前回は、肩書きだけで中身が伴わない「名ばかり役職者」が、職場の士気と組織力をむしばむ問題を解説しました。➡上司への不満⑥ 名ばかり役職者が職場を壊す
最終回となる今回は、どんな職場にも起こりうる「情報共有不足」の危険性について、現場の声と共にお伝えします。
情報が伝わってこない
「えっ、聞いてません!」
「いや、伝えたつもりだったけど・・」
こんなやりとりが繰り返される職場、心当たりはありませんか?
従業員アンケートでは、以下のような声が非常に多く寄せられます。
- 「大事な情報が一部の人にしか回っていない」
- 「非正規社員には知らせてもらえない」
- 「気づいたら重要な決定が終わっていた」
特にパート・アルバイトなど、現場の最前線で働く非正規社員が情報から置き去りにされているケースが多く見受けられます。
情報が届かなければ、現場の判断や対応が遅れ、クレームやミスの温床となります。
そしてそれ以上に怖いのは、「どうせ自分には教えてくれない」という諦めが、信頼をじわじわと崩していくことです。
解決のためにできること
雑談=情報共有ではない
「うちは雑談が多いから大丈夫」と思っている上司は要注意です。
雑談は潤滑油ですが、それはコミュニケーションの一部であって、業務に必要な情報がきちんと伝わっているとは限りません。
情報共有を仕組みにする
情報共有を仕組みにすれば、属人的な伝達ミスを防げます。
そこで、以下のような取り組みをお勧めします。
- 朝礼・終礼での情報確認(正社員・非正規問わず)
- 共有フォルダや掲示板での周知
- 伝達漏れを防ぐチェックリスト
- 業務連絡と雑談の違いを上司が明確に認識する
- 全員が閲覧できる日報やシステムの活用
まとめ:小さな共有が大きな信頼になる
仕事に関する「共有」をおろそかにすると、職場にミスと不信感が広がります。
一方で、「ちゃんと伝える」「ちゃんと受け取る」という小さな積み重ねが、強いチームと職場の安心感をつくります。
シリーズを通じてお伝えしてきましたように、「人は環境で動く」ものです。
あなたが今日送る一つの連絡が、職場の未来を変えるかもしれません。
最後に
7回にわたってお伝えしてきたのは、職場で起きる「上司への不満」の裏にこそ、組織を強くするヒントが隠れているということでした。
属人化、未来の不透明さ、個人情報の扱い、役職者のあり方、そして情報共有。
どれも「今はなんとかなっている」では済まされない大切な土台です。
職場を変えるのは、制度や肩書きではなく、日々の小さな行動の積み重ねです。
今日からできる一歩を踏み出し、信頼と安心が息づくチームをつくっていきましょう。
このシリーズが、その第一歩の後押しになれば嬉しく思います。
お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください
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