問題社員の影響は他人事ではない
どんな職場にもいます。
- 注意しても同じミスを繰り返す人。
- 人のせいにして反省しない人。
- 空気を読まず、周囲を疲弊させる人。
そんな「問題社員」を放置してしまうと、職場の空気はじわじわと濁り始めます。
「上司が何とかするだろう」と誰もが思ううちに、いつの間にか真面目に頑張る人ほど消耗し、やがて「もうここではやっていけない」と静かに辞めていくのです。
本音を言わずに辞めるたち
退職理由には、きれいな言葉が並びます。
「キャリアアップのため」「家庭の事情」「新しい挑戦を」
かつての私もそうでした…。
でも本当は、
- 「あの人のせいで限界だった」
- 「注意しても変わらないのに、上司は見て見ぬふりだった」
そんな“言えなかった本音”を抱えたまま去っていく人が少なくありません。
静かな退職の裏には、必ず“放置された問題”があります。
そして放置は、次の被害者を生み出すサインでもあります。
社員ができる4つの「動く勇気」
問題社員への対応は、上司や人事だけの仕事ではありません。現場にいる社員だからこそ、気づけること・できることがあります。
- 上司や人事に事実を共有する
「感情的な不満」ではなく、「どんな行動が、どんな影響を与えているか」を整理して伝えます。 - 相談記録を残す
いつ、誰に、どんな相談したかを記録しておきます。後々の判断材料になります。 - 複数人で声を上げる
同じストレスを感じている人がいれば、一緒に相談するのも有効です。一人の訴えより、「複数の声」のほうが事実として重みがあります。 - 社外の相談窓口を活用する
会社内で動かない場合、労働相談や外部の専門家(社労士等)に相談を。第三者が入ることで、社内が動き出すケースも多いです。
「波風を立てる」のではなく、職場を守る行動を
「余計なことを言うと自分が浮くかも」「チームの雰囲気を壊したくない」
そう感じる方も多いでしょう。でも、見て見ぬふりこそが、職場を壊す一番の原因です。
問題行動を指摘するのは“攻撃”ではなく、“防衛”です。あなたや周囲が安心して働ける環境を守るための行動です。
こうした行動は、「波風を立てる」と思われるかもしれませんが、問題を職場全体で解決するための大切な一歩です。
まとめ:あきらめない職場は、必ず変わる
問題社員を放置することは、「頑張る人を失う」ことにつながります。会社に期待するだけでなく、社員一人ひとりが声を上げることで、小さな改善が大きな変化を生みます。
「どうせ何も変わらない」とあきらめず、できることから一歩ずつ動く。その積み重ねが、安心して働ける職場をつくる力になります。
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士 竹内由美子
(中小企業の人と職場の課題をサポート)
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