「突然の「辞めたい」にどう向き合うか/支えてきた社員が限界を迎えるとき」を投稿しました20250823

上司への不満④ 「あの人がいないと回らない」職場に潜む大きな危機

はじめに

前回は、「会社の未来が見えない」ことが、優秀な人材を静かに遠ざけていくというお話をしました。方向性が示されるだけで、「ここでなら頑張れそう」と前を向ける人が増える。それは、組織にとって大きな力になります。➡上司への不満③ 会社の未来が見えない-優秀な人材が静かに離れていくとき-

今回はさらに一歩踏み込み、職場に潜む気づかれにくいリスクに目を向けます。何も問題が起きていない「今」だからこそ、見落としがちな危機です。

「あの人がいないと何も進まない」 それは、組織の深いSOS

人事制度の設計にあたり、社員アンケートを行うと、意外なほど多く挙がってくる声があります。
それが、「リスク管理ができていない」というものです。

たとえば、こんな現場の声が聞こえてきます。

  • あの人が休んだだけで、業務がストップし、顧客に迷惑をかけた。
  • 業務改善の提案をしても、ある人に「無理」と一蹴されて終わる。
  • 辞められたら困るから、問題があっても誰も注意できない。

最初は「頼れる人がいてありがたい」と思っていたはずが、いつしか「その人がいないと、何も動かない職場」になっていませんか?

こうした属人化は、一見回っているようで、実はギリギリの綱渡り状態です。
その綱が切れたとき、もっとも疲れている人が倒れ、もっとも優秀な人から辞めていきます。

組織を救うのは「仕組み化」だけ。人に頼りすぎない、優しい職場へ

どれだけ優秀な人材がいても、その人だけに頼っていては組織はもちません。
だからこそ必要なのは、「属人化」から脱け出し、みんなで支え合える組織づくりです。

具体的な方法としては、

  1. 業務の見える化:誰が何をしているか、全員が把握できる状態にする
  2. 属人化の解消:その人にしかできない仕事を洗い出し、分散させる
  3. マニュアル・システム化:誰でも同じ成果が出せるようにする
  4. ジョブローテーション:代われる人を育て、選手層を厚くする
  5. 定期的な評価・面談:気づかぬ疲れや不満の芽を摘む

地味な取り組みに見えるかもしれません。
けれど、こうした一歩一歩が不安を安心に変え、信頼の芽を育てていきます。

まとめ:今が動けるラストチャンス

問題は、起きてからではもう遅い。
いちばん怖いのは、「何も起きていない」ように見える今、静かに崩れ始めていることに気づかないことです。

平穏な今こそが、行動を変える最大のチャンスです。

  • 誰かが急に休んでも、ちゃんと回るチーム
  • 気兼ねなく休めて、安心して力を出せる職場
  • 信頼と支え合いが、文化として根づいた組織

そんな「人が辞めたくならない職場」は、「仕組み」という土台がつくります。
その第一歩を踏み出せるのは、あなたの行動です。

次回予告

次回は、「個人情報の扱い」に関する見えづらい不満に迫ります。実は、ちょっとした配慮の欠如が、信頼を大きく損ねている職場も少なくありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました