はじめに
※この記事は「うまくいく組織づくり」シリーズの第2回です。
👉 第1回「組織改革の第一歩は「トップの宣言」から」はこちらからご覧ください。
前回の記事では、「組織の未来をどうしたいのかを自分の言葉で語るところからスタートしましょう」とお伝えしました。今回はそこから一歩進めて、「現場の本音をどう拾い、どう受け止めるか」に焦点を当てていきます。
トップは「自分は悪くない」と思い込んでいる
うまくいっていない組織では、その原因は社員にのみある、とトップは思いこんでいます。
「自分は正しい。問題があるのは現場だ」と信じて疑わないため、現場の不満や課題に耳を傾ける姿勢がそもそも欠けています。
現場の声を聴く方法
私は、ひとしきりトップの思いを聴いた後は、以下のような方法で従業員の本音を聴いています。
- 個別ヒアリング
- 無記名のアンケート
- 小グループでの意見交換
その会社さんに合った手法を使います。
「言ったら終わり」と思っている社員たち
現場では、「本音を言ったら誰かにバラされてしまう」「犯人探しが始まる」と恐れている社員も少なくありません。とくに、トップや管理職の“圧”が強い組織では、こうした傾向が顕著です。
一方で、「何でも言ってもらって構いません」と頼もしく応じてくれる社員もいます。ただし、声が大きい人の発言だけを鵜呑みにするのは危険です。多様な立場の声を拾う姿勢が重要です。
一番大変なのは、トップへのフィードバック
そして最も気を遣うのが、この現場の声をトップに伝える場面です。
なぜなら、そもそも「自分は悪くない」と思っているわけですから、厳しい内容を聞くと感情的になる方も少なくありません。
- 「誰がこんなこと言ったんだ!」
- 「うちはそんなにひどくないはずだ」
- 「文句を言うなら辞めればいい」
このような反応が返ってくるケースもあります。
しかし、そこで逃げてしまっては、何も変わりません。
現場の声を受け止める覚悟があるか?
現場の声を真摯に受け止められるかどうかが、組織改革の成否を分けます。
耳が痛い意見ほど、実は「本質」を突いていることが多いのです。
経営層や管理職の皆さんには、まずは「聴く」姿勢を持っていただきたいと思います。
次回予告:「経営者の「度量」が成否を分ける」
次回は、「うまくいく組織」を育てる第一歩である、経営者の姿勢と器についてお伝えします。
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