「自分の仕事」を囲い込む人が組織を弱くする
組織にとって理想的なのは、「誰かが抜けても業務が止まらない」状態です。
そのためには、業務の共有や引き継ぎがスムーズにできる仕組みが欠かせません。
しかし現実には、
「この仕事は私の仕事だから誰にも教えない。」
「知りたかったら、見て覚えれば?」
というスタンスをとる人が存在します。
このように、「自分だけの仕事」を抱えて、「自分だけの立場」を守ろうとする人は、
たとえ仕事ができても、評価を下げていいと思います。なぜなら、組織全体の生産性やチームワークを損なうからです。
成長しない人、育てられない人
このようなタイプの人は、多くの場合、仕事の効率もあまり良くありません。
その仕事がある間は、自分の立場が守られているので、他者と切磋琢磨する機会がなく、
その現状に甘んじ、成長してこなかったからです。
また、当然ながら人を育てられません。
育ててしまったら、自分の居場所がなくなるし、自分の無能さがわかってしまう。
そもそも、育てる能力もないかもしれません。
それなのに、社内では「俺様はすごいだろ」と振る舞い、傲慢な態度を取ってしまう。
こうした状態は、職場の停滞を引き起こす大きな要因です。
解決策
1.ジョブローテーション
改善の第一歩は、「業務の属人化」を防ぐ仕組みをつくることです。
その代表的な手法がジョブローテーションです。
- 部署や担当業務を定期的に入れ替える
- 日頃からマニュアルを整備しておく
- 部署間のコミュニケーションを活発にする
こうした取組みによって、仕事が“見える化”され、「その人にしかできない仕事」は確実に減っていきます。
2.平準化と評価の基準づくり
もう一つのポイントは業務の平準化です。誰が担当しても、一定の質と成果が出せるようにするには、次のような取り組みが必要です。
- どこまでやればよいか、どんな仕上がりにすべきかを明確にする
- 定期的に評価を行い、育成につなげる
このような取り組みを通して、管理職は「人によって対応を変えない」「ルールを全員に同じように適用する」といった公正なマネジメントができるようになります。
この基本ができていないと、組織の信頼はあっという間に崩れてしまいます。
まとめ:風通しの良い職場が組織を強くする
業務の共有化・平準化を進めることで、組織全体の透明性が高まり、風通しが良くなります。
結果として、以下のような効果が生まれます。
- 組織の活性化
- チームワークの向上
- 良い人材の定着
- 人が育ち、仕事の結果も良くなる
「自分だけの立場を守る人」よりも、「周囲と協力し、後進を育てる人」が評価される職場へ。
そんな組織づくりを、少しずつ始めてみませんか?
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