評価制度は「60点思考」で運用する/部下を追い込まない目標設定

はじめに:部下を追い込まない目標設定と評価の方法

「評価制度を入れたら、一番まじめな社員が辞めてしまった」
実は、こうした相談は少なくありません。

評価制度そのものが悪いのではありません。
問題は、100点を前提に運用してしまうことです。

評価は「60点思考」で回す。この発想がとても重要です。

小さな会社ほど、評価の物差しが必要

「うちは人数が少ないから評価制度はいらない」
そう思われがちですが、むしろ逆です。

仕組みがない職場では、

  • 頑張りが評価されているのか分からない
  • 昇給基準があいまい
  • 何を目指せばいいか見えない

という不満が生まれやすくなります。

評価の基準が見えるだけで、社員は安心して力を出せます。

シンプルで十分。運用がすべて

私の事務所では、複雑な制度は使っていません。

  • 年2回の振り返り
  • A4一枚の評価シート
  • 自己評価+上司評価
  • 昇給は「6割達成」で対象

ポイントは、できなかった点より、できた点を見ること。

評価は「反省会」ではなく、次への作戦会議です。

目標があると、仕事は安定する

目標設定の効果は、

  1. 何を頑張ればいいか分かる
  2. 評価に納得できる
  3. 無理に100点を目指さなくなる

「ここまでできれば合格」という線が見えると、人は過剰に自分を追い込まなくなります。

評価制度で一番危険なのは「満点主義」

制度を作ると、つい思ってしまいます。「全員、目標は100%達成すべきだ」

でもこれをやると、

  • まじめな人から疲れる
  • 余裕のない職場になる
  • 挑戦が減る

だから最初から決めておきます。60%で合格。まずはそこから。

60点思考の運用ルール

  1. 未達でも責めない
  2. できた部分を具体的に認める
  3. 未達分は「次どうするか」に変える

評価制度は、減点表ではありません。
成長の確認表です。

まずは小さく始める

評価制度は、

  • A4一枚
  • 半年に一度
  • 一緒に目標を決める

これで十分スタートできます。
完璧な制度より、続く運用の方が価値があります。

まとめ

評価制度は、

  • 人を選別する道具ではなく
  • 人を育てる道具です。

ただし、100点を求めると壊れます。

60点で回します。
この前提に立てば、評価制度は組織と人を強くしていきます。

長く続く職場は、だいたいこの温度で動いています。


執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)

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