上司としてやってはいけないこと
上司としてやってはいけないのは、「部下の悪口」を言うことです。
悪口は一瞬のストレス発散になりますが、その代償は想像以上に大きいものです。
たとえば、
- 信頼していた同僚が、実は部下とつながっていた
- ふとした会話がLINEで拡散されていた
- 「あの上司、人の悪口ばかり」と噂が独り歩きしていた
このように、悪口は必ずどこかで漏れます。
そして一度信頼を失えば、取り戻すのは簡単ではありません。
悪口を言いたくなる心理
悪口を言いたくなるのは、部下が「自分の期待どおりに動かないとき」です。
- 指示を出したのに動かない
- 同じミスを繰り返す
- 何度言っても変わらない
でも、上司も人間です。腹が立つこともあります。
ただし、その怒りを“陰口”の形で外に出すか、“改善策”として向き合うかで、信頼関係の明暗が分かれます。
事例:悪口が引き起こした職場崩壊
ある老舗企業の店長は、特定のスタッフAさんの悪口を、別のスタッフBさんに話していました。「Aさんは仕事をさぼってばかり」「仕事ができない」などと。
ところがAさん本人には、「信頼してるよ」と笑顔で接していたのです。
この裏表の態度が、火種になりました。
ある日、Bさんが「店長がAさんのこと裏で悪く言ってましたよ」と口にした瞬間、職場の空気は一変。チームは一気にバラバラになりました。
結果、信頼を失った店長は異動に。
悪口はたった一言でも、職場を壊す「時限爆弾」になるのです。
部下からの“静かな反撃”
上記の事例はともかく、一般的には、上司の陰口を知った部下は表立って反論はしません。
代わりに、こんな行動をとります。
- 指示に従わなくなる
- 意見を言わなくなる
- 周囲と距離を取る
- 退職を検討する
いわゆる「静かな退職」です。
悪口は、言われた本人だけでなく、周囲の士気まで下げてしまうのです。
感情を整える3つの対応策
しかし、上司も人間です。部下の悪口を言いたくなるような場面は必ず起きます。
その場合は、次を試してみてください。
- 自分の指示を振り返る
「伝え方が曖昧ではなかったか」「部下が理解できるレベルだったか」 - 部下と一緒に原因を探す
「なぜそうなったか」を一緒に考えることで、相互理解が生まれます。 - 第三者に冷静に話す
信頼できる専門家(顧問社労士など)に相談するのも有効です。
客観的な整理と解決策が得られます。
まとめ
部下の悪口は、必ず本人に伝わります。
そして、悪口を聞かされた人も「自分も言われているのでは」と不信感を抱きます。
上司の言葉は、職場の空気をつくる力があります。
だからこそ、悪口ではなく支える言葉を。
その一言が、チームを壊すことも、育てることもあるのですから。
編集後記
過去に「特定の部下の悪口を使って、他の部下を味方につける」という姑息なケースを見たことがあります。その場では一時的に“味方”を得たように見えました。
しかし、悪口は必ず伝わります。
やがて信頼関係は一気に崩れ、その上司のもとには誰も残りませんでした。
悪口で得られるのは、味方ではなく不信だけ。
信頼の上にしか、本当のリーダーシップは成り立たないのだと痛感しました。
動画版
音が出ます
「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。