はじめに
「気がついたら、社員の誰も自分を信じていない」
経営者にとってこれほど苦しい状況はありません。
「何人も辞めてしまった」
「会議で発言しても誰も反応しない」
「ナンバー2からも見放された」
こうした状況は一朝一夕で起こるものではなく、日々の積み重ねの結果です。ですが、諦める必要はありません。信頼は失った分だけ、行動で取り戻すことができます。
なぜ総すかんをくらうのか?よくある3つの落とし穴
1.一方的なコミュニケーション
「俺の言うことを聞け」というトップダウン。社員の声は無視され、やがて誰も本音を言わなくなります。
2.信頼関係の破綻
「言っていることとやっていることが違う」 これほど信頼を壊すものはありません。約束を守らない、気分次第で態度を変える。こうした積み重ねが社員を遠ざけます。
3.労働環境の軽視
無理な残業、低い給与、将来が見えない。経営者の姿勢が「人を大切にしていない」と伝われば、やる気も忠誠心も失われます。
信頼回復のための5つのステップ
信頼を回復するには、短期間で結果を求めず、地道に、そして一貫して行動し続けることが重要です。
ステップ 1: まずは「自分」と向き合う
「社員が悪い」のではなく「自分のやり方に問題があった」と認めること。これが最初の一歩です。
ステップ 2: 心からの謝罪と対話の場を設ける
形式的ではなく「具体的に何が悪かったか」を認める謝罪をします。社員からの意見を聞く場を設け、継続的に対話の仕組みを作ります。
ステップ 3: 経営の「ブラックボックス」をなくす
「なぜその決定に至ったのかを社員が理解できないと、不信感が募ります。数字や方針を隠さず伝え、『こう考えたからこの判断をした』と説明することが、信頼を築く第一歩です。
ステップ 4: 労働環境の根本的改善
労働時間の適正化、評価制度の見直し、スキルアップの支援等、小さくても具体的な改善は、経営者の本気度を社員に伝えます。
ステップ 5: 社員と共に「新しい文化」を創り上げる
トップダウンではなく、社員と共に理念や仕組みを作っていく。「この会社は自分たちのものだ」と思えるようになれば、自然に信頼が戻ります。
立て直し期間中の注意点
1.焦りは禁物:信頼回復には時間がかかります
2.一貫性を保つ:一度決めた改善はブレない
3.社員の声に継続的に耳を傾ける:
定期的なフィードバックの機会を設け、改善状況を確認し続けます(ここがカギ)
最後に:経営者としての「第二のスタート」
社員から総すかんをくらうという経験は、確かに辛いものです。しかし、これを機に真の経営者として成長するチャンスでもあります。
大切なのは「変わろう」という言葉ではなく、日々の行動の積み重ねです。
誠実な姿勢を示し続けることで、信頼は少しずつ戻り、会社は再び動き出します。
あなたの次の一歩が、組織の未来を変えていきます。
「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。
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