【A】その残業が「必要だから」なのか、「習慣だから」なのかを切り分けることです。
多くの職場では、「忙しいから残業する」のではなく、「残業するのが当たり前になっている」だけ、というケースが多いです。
【理由】残業が習慣化している職場の特徴
①よくある光景
- 定時が近づくと、みんなソワソワする
- 「お先に失礼します」が言いにくい
- 定時で帰る人を「やる気がない」と見る
- 残業している人が「頑張っている人」 という評価
これは、残業が必要だからではなく、 残業が文化になっているサインです。
②なぜ習慣化するのか
次のような構造・文化の問題かもしれません。
- 昔からそうだった
「うちはこういう会社だから」と誰も疑問に思わない - 評価の問題
「残業=頑張っている」という評価が定着すると、定時で成果を出す人ほど評価されにくくなる - 上司が帰らない
上司がいるから帰れない、「お先に」が言えない雰囲気 - 仕事のやり方が非効率
無駄な会議、意味のない確認作業、古いシステムがある - 残業代への依存(生活残業)
こうした環境では、「本当に今日やる必要がある仕事か?」を考える機会が失われていきます。
③本当に必要な残業か?(切り分けポイント)
【必要な残業】
- 納期が迫っている
- トラブル対応
- 繁忙期の一時的なもの
【習慣の残業】
- なんとなく残っている
- 周りが帰らないから
- 明日でもいい仕事を今日やっている
ここを見極めないと、改善は始まりません。
【対応】最初の一手「ノー残業デー」
残業削減の目的は、いきなり残業をゼロにすることではありません。
「残業しなくても業務が回る日があるか」を確認することです。
- まずは週1回
- 定時で帰ります(経営者・管理職も一緒に)
すると、
- 意外と今日やらなくても問題なかった
- 明日に回せる仕事が多かった
- 集中して働けば定時で終わる
- 無駄な会議や作業が見えてきた
といった気づきが出てきます。これが改善の第一歩です。
注意点:隠れ残業
ノー残業デーを導入すると、表向きの残業時間は減っても、
- 自宅で仕事をする
- 始業前に作業を済ませる
といった、実態が見えにくい働き方に移行するケースが出てきます。
また、意図せず、そのような行動を促してしまう上司の声かけがあることも少なくありません。
大切なのは、数字を操作することではなく、
実際の働き方をきちんと見える化し、無理のないペースで仕事が回っているかを確かめること
そのための手段が、ノー残業デーです。
まとめ:残業は単なる習慣かも
残業が多い職場ほど、「減らす前に、疑う」ことが必要です。
残業を疑うことは、社員の人生を尊重することでもあります。
習慣を変えるのは勇気がいりますが、その先には必ず、社員の笑顔と生産性の向上が待っています。
「その残業は、本当に必要ですか? それとも、ただの習慣ですか?」
執筆:埼玉県熊谷市の社会保険労務士・竹内由美子(中小企業の人と職場の課題をサポート)
※職場の状況によって、適切な対応は異なります。
もし、「これはうちの職場だけの問題なのか?」「どこから整理すればいいのか分からない」と感じた場合は、一度ご相談ください。






