はじめに
「うちは少人数だし、就業規則なんて必要ないよ」 そう思っていませんか? 実は、社員数が少ない会社ほど、ちょっとしたトラブルで関係がこじれるリスクが高まります。
この記事では、小規模企業こそ知っておきたい「就業規則の必要性」について、社労士の視点から解説します。
小さな会社ほど起こりやすいトラブルとは
「従業員が3~4人しかいないけど、就業規則を作りたい」といった相談を受けることがあります。
法律上は、従業員(パート・アルバイト含む)が10人未満の会社には就業規則の作成義務はありません。
それでも「今すぐ作りたい」という声が出てくる場合、何らかのトラブルが潜んでいます。
たとえば、
- 問題社員への処分方法に悩んでいる
- 言った・言わないの食い違いで揉めた
- 弁護士から「就業規則がないと対応できない」と言われた
などです。
就業規則がないと困ることも
社労士としては、「社員がいるなら、人数に関係なく就業規則はあった方がよい」と考えています。なぜなら、ルールがない状態で何か問題が起きた場合、次のようなリスクがあるからです。
- 会社が一方的に悪者にされる
ルールがない・曖昧だと、社員側から「これは理不尽だ」と感じられやすくなり、会社の立場が弱くなる。 - 社員への指導や処分が難しくなる
ルールがない・曖昧だと、何を根拠に指導や処分を行うかが不透明になり、社員の反発や法的トラブルの原因になりやすい。 - トラブルが長期化しやすくなる
ルールがない・曖昧だと、双方が納得しにくく、問題がこじれて長引きやすくなる。これにより職場の雰囲気が悪化し、業務に支障をきたすことも多くなる。
このように、就業規則やルールの整備は、会社と社員の双方を守り、円滑な運営を支えるために不可欠なものなのです。
モデル就業規則に関する相談
お金をかけたくないからと、モデル就業規則を使って自社の就業規則を作ろうとしている会社さんの相談を受けることがたまにあります。
お話をお聴きすると、次のような危険が潜んでいるケースがほとんどです。たとえば、
- 条文の意味を誤解している
- 法律の解釈を間違えている
- 実態と合わない内容になっている
いざ問題が起きたとき、誤った就業規則が火種になってしまうことさえあります。「そんな法律、知らなかった」では済まされないのが、就業規則の世界です。
会社と社員を守る「攻めの就業規則」
就業規則は、「トラブルが起きたから慌てて作る」ものではなく、トラブルを未然に防ぐための経営ツールです。
また、社労士と一緒に就業規則を作ることで、次のような経営的メリットも期待できます。
- 助成金の受給に対応できる規定を整備
- 働きやすさの見える化
- 採用時の説明責任の明確化
会社の未来のための先行投資として、専門家に相談しながら整備することを強くお勧めします。
最後に
就業規則は、会社と社員を守る大切な土台です。
「まだうちは早いかも」と思っていても、ちょっとした備えが大きなトラブルを防ぐことにつながります。不安なことや「これで合っているかな?」という点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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