「残業計算は“ここ”で間違える/正解の計算方法とムダ残業を減らす仕組みづくり」を投稿しました20250915

残業計算は“ここ”で間違える/正解の計算方法とムダ残業を減らす仕組みづくり

はじめに

「うちの会社は残業代、ちゃんと払っているよ」
そう思っている社長さんほど、実は計算を間違えていることが多いんです。

私の経験上、法律どおりに正しく残業代を計算できている会社はほぼゼロです。

この記事では、難しい条文は抜きにして、

  • よくある計算ミス
  • どう直すか
  • 残業そのものを減らす仕組み

を、現場感覚で解説します。

残業代計算のよくあるズレはこの2つ

  1. 適当な月平均所定労働時間を使って残業代を計算している。
    年間休日を特定してから労働時間を求めます。

  2. 基本給のみで残業代を計算している。
    ※各種手当も含めます(一部除外あり)。

この2つのどちらか(多くは両方)がズレて、残業代全体が歪みます。

放置すると怖い未来が・・

  1. 労基署の調査 → 数年分まとめて未払い+利息
  2. 退職者・現社員から突然の請求 → 裁判沙汰・SNSで「ブラック企業」扱い
  3. 退職→会社を信じていた社員ほど、裏切られた気持ちになる

このように、数字ミスだけではなく、信頼を失うリスクが大きい。

現場でできる即効対応策

  1. 年間カレンダーを作る
    年間休日を決めて、年間労働時間を数値化。これが全ての土台です。

  2. 時間単価を正しく出す
    ・含める/除外できる賃金を一覧表に(名称ではなく支給実態で判断)
    ・計算式・端数処理を就業規則に明記して運用

  3. 残業ルールの運用(無駄を削る)
    (1)「ノー残業デー」で本当に残業が必要かをあぶりだす
    (2)「残業許可制」を導入
     ・申請時に「終了時刻」「業務内容」「残業成果」を記入
     ・翌営業日に結果を報告
     ・上司が必ず確認し、育成や業務改善に活かす
     ※導入企業では残業6割削減の事例も(まずは2~3割落ちれば成功)

細かい計算ルールはこちら → 000501860.pdf

残業がやたら多い人の正体

あなたの会社には、次のような人はいますか?

  • 属人化:その人が休むと回らない/手順が頭の中
  • 生活残業:残業前提の働き方が常態化

対応の流れ

  1. その人に密着(何に何時間かかっているかの確認)
  2. 他の人に同じ仕事をやらせて検証
  3. マニュアル化・標準化で残業削減できたら、その分を処遇に反映

※時間はかかりますが、離職予防と生産性に直結します。

まとめ:3ステップで着手

Step1:年間カレンダーで計算の土台を作る

Step2:時間単価を正しく出す

Step3:ノー残業デー➡許可制で、残業の運用を見直す

最後に

残業計算は、会社の信頼を守る仕組みです。
そして、残業を減らすことは、従業員の健康・定着にも直結します。

「計算を直す」だけで終わらせず、「残業を減らす仕組み」にまで踏み込むことが、会社を強くする近道となります。

「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。

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