「人が育つ会社・育たない会社の違い」を投稿しました20250620

労基署・年金事務所の調査とは?よくある違反と対応のポイント

会社を経営していると、労働基準監督署や年金事務所から調査を受けることがあります。
ここでは、どのような調査があるのか、よく指摘される内容や注意点をまとめます。

1.労働基準監督署

定期調査

定期調査は、一部の抜き打ち的な立ち入り調査を除き、ほとんどは事前に通知書が届きます。
令和2年の埼玉の結果は、調査をした事業所の約7割に、何らかの違反があったようです。

違反の多い順は以下の通りでした。

  • 労働時間の管理
  • 残業代(割増賃金)の計算
  • 労働条件の書面での明示
  • 安全基準や衛生管理
  • 就業規則の届出
  • 賃金台帳の整備
  • 定期健康診断の実施

法違反があった場合、指定された期日までに改善し、報告書を提出する必要があります。
改善内容によっては、半年ほどで再調査が行われることもあります。

申告調査

申告調査とは、会社に不満を持つ労働者が、労基署に申告したことで始まる調査です。
令和2年の埼玉の結果は、 調査をした事業所の約6割に、何らかの違反があったようです。

違反の多い順は以下の通りでした。

  • 賃金不払い
  • 解雇
  • 最低賃金
  • 労働時間等
  • 安全衛生等


個人的には、未払い賃金や解雇のトラブルが多い印象です。

労災関係の調査

労災事故が多いと、その原因や対応を確認するために調査が入ります。
労災は生命にかかわりますので厳しくチェックされます。

こういった調査をきっかけに、職場の環境やルールを見直し、
働きやすい職場づくりに活かすことが大切です。

2.年金事務所

年金事務所も定期的に調査を行います。
主な種類は以下の通りです。

算定時調査

毎年の保険料算定のタイミングで行われる確認です。

新規適用後の調査

社会保険に加入した直後に、適正に届出がされているかを確認します。

一般的な調査

不定期に行われる調査で、届出や保険料の納付状況などが対象です。

近年は社会保険料の滞納に対する対応が厳しくなっています。
少しでも不安があれば、早めに相談することをおすすめします。

3.調査でよく指摘される違反例

調査では次のような点が特に見られます。

  • 残業代の未払い
  • 雇用契約書や労働条件通知書の不備
  • 就業規則の届出漏れ
  • 健康診断の未実施
  • 社会保険の加入漏れ
  • 安全衛生の不備

「うちは大丈夫」と思っていても、細かい部分で指摘が入ることが多いのが現実です。

4.調査の通知が来たら

通知が届いたら、まず落ち着いて準備を始めましょう。

  • 調査内容を確認
  • 必要な書類(労働条件通知書、賃金台帳、就業規則など)を揃える
  • 不明点は事前に問い合わせる
  • 早めに社労士など専門家に相談する

慌てて対応すると、誤った説明をしてしまったり、余計に問題が大きくなることもあります。

5.早めの準備と専門家への相談が安心です

調査は突然通知が来ることも多く、慌てがちです。
日頃からきちんと労務管理を行い、気になることは早めに対処することで、
トラブルを防ぐことができます。

「これって大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
専門家が丁寧にサポートいたします。

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