突然届く「労働基準監督署の調査通知」。どう対応すべきか不安になりますよね。
本記事では、調査の流れから必要書類、違反時の対応方法、
そして社労士ができるサポートまで、分かりやすく解説します。
労働基準監督署の調査とは?
労働基準監督署の調査は、会社が労働関係法令をきちんと守っているかを
確認するために行われ、主に次の3つのパターンがあります。
- 定期監督
年間計画に基づき、一定業種や規模の事業場に対して定期的に実施する監督です。
例:建設業、飲食業など労働トラブルが多い業種 - 申告監督
労働者(元労働者含む)からの通報・申告に基づいて行われる調査です。
匿名でも可能。違反の可能性が高いと判断されれば実施されます。 - 災害時監督/再監督/臨検監督 など(随時対応)
労災事故が発生した場合や、過去の是正内容が履行されているかを確認
するための監督です。また、必要に応じて臨時で行われるケースもあります。
突然通知が届くので、日頃からの法令順守が重要です。
調査はどのように行われるのか?
調査通知は、郵送で届くのが一般的です。
通知には、以下のような内容が記載されています。
- 調査の目的と根拠法令
- 出頭日時
- 持参すべき書類一覧
- 担当監督官の名前・連絡先
調査当日は、社長や労務担当者が、指定された書類を持って
労働基準監督署へ出頭します。
内容によっては、社労士が同席したり、代わりに出頭することもあります。
求められる必要書類
以下の書類が必要になることが多いです。
- 調査票(日頃の労働実態を記入する)
- 就業規則
- タイムカード
- 賃金台帳
- 残業があれば36協定届(時間外労働・休日労働に関する協定届)
- 有給休暇管理簿
- 健康診断個人票
調査後はどうなる?
調査の結果、明らかに法令違反があれば、
その場で是正勧告書(違反キップのようなもの)を交付されます。
これは、「いついつまでに、ここの部分を直ちに改善して報告してください」
といった内容のものです。
違反状況に応じて、次のような対応が必要になります。
- 就業規則や36協定の修正・再提出
- 未払い賃金の支払い
- 労働時間管理の是正
- 是正報告書の作成と提出(期限厳守)
- 雇用契約書の作成(無い場合)
- 定期健康診断の受診と領収書等の提出 等
※対応を怠ると、再監督や送検、罰則の可能性もあります。
社労士に依頼するメリットとは?
労働基準法や調査対応は専門性が高く、自己判断での対応はリスクがあります。
そこで、社会保険労務士に依頼することで、次のようなメリットがあります。
- 是正報告書の作成・アドバイスが受けられる
- 調査同行・代理対応も可能
- 法令に基づく就業規則や36協定の整備ができる
- 再発防止のための運用指導が受けられる
まとめ
労働基準監督署の調査は、きちんと対応すれば大きなトラブルにはなりません。
ただし、対応を誤ると、「労働基準法違反=ブラック企業」といった悪い印象を
与えるだけでなく、最悪の場合は送検や逮捕といった法的リスクにも発展する恐れ
があります。
そのため、調査通知が届いたときは、できるだけ早く社労士などの専門家に相談
することを強くおすすめします。
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