面接で人を見抜くには
人の本質を短時間で見抜くのは難しいものです。
特に面接という限られた時間では、応募者の人間性や価値観を
引き出すのは容易ではありません。
何の準備もせずに臨むと次のようなリスクが待っています。
- 職場の雰囲気や相性が合わない人を採用してしまう
- 早期離職となり、再び採用に時間とお金がかかる
人を見抜くポイント(面接力)
だからこそ、人を見抜く力(面接力)を高めることが必要になります。
私がお勧めする準備は以下の通りです。
- 深掘り質問を用意する
例「過去に最も苦労した仕事は?」「それをどう乗り越えましたか?」
といった、その人の考え方、姿勢、感情の扱い方などの内面が垣間見えます - 即興課題で対応力を見る
例「こんなクレームが来たらどう対応しますか?」
とその場で解決策を考えてもらいます。
事前に準備できない分、応募者の素の反応が引き出せます。 - 履歴書の裏を読む
実績の裏にある努力や工夫、苦悩を掘下げることで
人間性が見えてきます。 - 求める人材像を明確にしておく
「どんな価値観や性格なら、うちの会社に馴染むか」
を事前に明確にし、面接でそれを確認します。
このような準備をすることで、適切な人材を採用する確率を
ぐっと高めることができます。
採用の失敗例
とある会社で、非常に優秀で経歴も申し分ない人を採用しました。
ところが、実際に現場に入ってみると、
- 周囲と協力せず、単独で物事を進めたがる
- 指摘されるとすぐ不満を口にする
- 仕事はできるが、職場はギスギス
といったことから、1カ月経たずに退職してしまいました。
このとき感じたのは、スキル以上に、その人の価値観、性格、相性が、
職場ではずっと大事だなということです。
応募者の本質を見抜く観察ポイント
以上のことから、面接で必ず見るべき観察ポイントをまとめます。
- 事実に基づいて話しているか
「何を、どう頑張ったか」を具体的に話せるか。
抽象的な「頑張りました」はNG - 否定的な経験をどう語るか
失敗談に「反省や学び」があるか、「他責か自責」か、
を観察し、その人の本質を見抜きます - 「どういう人と働きたいですか?」と質問する。
チーム志向か、個人主義かが見えます - 目線・口調・間の取り方
無意識に出る態度や癖から、意外に多くのことが見えてきます
また、面接者が1人だと大事なところを見逃してしまうかもしれませんので、
もう一人出席してもらうといいかもしれません。
まとめ
結局のところ、「採用の本質」は、
- 「自社の価値観に合う人か」
- 「共に成長していける人か」
ではないかと思っています。
だからこそ、
「うちの価値観とは」「一緒に成長したいと思える人とは」
の定義を決めておく必要があるかと思います。
そして、「質問」と「観察ポイントのチェックリスト化」
をしてみてください。この準備が、採用のミスマッチを防ぎます。
最後に:私の採用観
私が一緒に働きたいなと思う人は、「実績」や「肩書」ではなく、
「人として尊敬できるかどうか」です。
多少意見が合わないことがあっても、根底に敬意があれば、
協働できると思うからです。
その判断材料としては、
- 会話の中での誠実さ
- 人の話にきちんと耳を傾ける姿勢
- 小さな約束をきちんと守る
になります。
コメント