結論
行政調査には、労働基準監督署、年金事務所などの調査がよくあります。
誰でも、調査は嫌なものです。しかし、それをきっかけに、働きやすい会社に生まれ変われます。その結果、良い人材が定着します。
労働基準監督署の調査
労働基準監督署の一般的な調査では、タイムカード、賃金台帳、36協定届、有休休暇管理簿、健康診断個人票、就業規則等が求められます。
法律通りに労務管理をしているかをチェックするのが目的です。
一方、個人的な申告による調査では、賃金未払い(残業代、最低賃金)に関することが多いです。
雇用契約書、タイムカード、賃金台帳、就業規則等を求められ、一通り言い分を聞かれたうえで、「次回までに、未払い分を計算してきてください」と求められます。
対象人数が多かったり、長期にさかのぼる場合は、結構大変です。
年金事務所の調査
よくある調査
年金事務所の一般的な調査といえば、
- 加入要件を満たしている人(特にパート・アルバイト・試用期間者)が、きちんと被保険者になっているか
- 社会保険料を総支給額で算定しているか
- 複数の会社で加入要件を満たしている場合に、二以上の手続きをしているか
- 昇給降給があった場合に、正しく月額変更の手続きをしているか
等が主なところです。
年に一回の算定時に調査を実施するケースもあれば、
役所が決めた適当な時期に実施する場合もあります。
昨年末にも簡易的な調査(電子申請で)がありました。
加入漏れがないかどうかの調査のようです。
今年の10月には、パート・アルバイトの社会保険加入要件が厚生年金加入者51人以上の企業にまで広がるので、それに向けてまた調査が増えそうです。
ピンチをチャンスに!
調査をチャンスに
確かに、行政調査は時間をとられますし、耳に痛いことも言われます。状況によっては、経済的な支出も伴います。
しかし、それをマイナスにとらえて愚痴ったり、行政機関に反発したり、抜け道を考えることにエネルギーを使うよりも(お気持ちはわかります・・)、
入るものは入る、払うものは払ったうえで、これまでのやり方を改善し、人材の定着、業績向上に目を向けた方が、会社にとってメリットがあるのではないでしょうか。
実際、きちんと運営している会社さんは、良い人材が残り、発展していっています。
法令順守をすることで、働きやすい会社になり、従業員は安心して働けるからです。
年金事務所の調査をチャンスに
社会保険にきちんと入らせていることで、
- 刹那的な変な人(※)が入社してこない
※「保険料は払いたくない」等、自分のことしか考えない人。トラブルメーカーになりやすい - 地に足をつけてきちんと働きたい人が入社してくる
といったメリットがあります。
また、
- 調査をきっかけに、社会保険加入を拒否していた古株従業員に加入させることができた
- 調査はいつか来るという前提で、社内体制を見直し、社会保険にきちんと加入したことで、良い人材を引き抜けた
といった例があります。
労働基準監督署の調査をチャンスに
従業員は、会社が本気で旗を振らないと、まったく動いてくれません。
労基署の調査で怒られたことを、「労働時間の管理や業務の見直しをしなければならない」という大義名分にして、それまでだらだら残業をしていた従業員たちに、労働時間の短縮や効率化に協力してもらいましょう!
これはチャンスです。
実際に取り組んでもらうと、時間外労働が6~8割程度に抑えられたりします。
その結果、仕事の質が上がり、利益を増やせるチャンスになるかもしれません。
まとめ
行政の調査は、いつかはやってきます。そこで指摘されたことをきちんと改善することで、働きやすい職場になり、良い人材が定着するだけでなく、将来有望な原石が入社してくる可能性があります。
すべての求職者は、ホワイト企業を求めているからです。
原石から選ばれるホワイト企業を目指しましょう。
そのための方法は社労士が知っています。
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