座学だけで部下の行動は変わる?
ある介護事業所さんから電話で問い合わせがありました。
『年に一回、コンサルタントを呼んで研修をしているが、従業員は全く変わらないので、私にも研修をしてほしい』といった内容でした。
私が驚いたのは、たった年に一回の研修で、部下の行動が変わると思っているところです。
藁をもすがる思いだったのかもしれませんが、それは無理です。
研修自体はとても有意義なことです。どんどん活用していただきたいです。
カギは、研修をどう展開していくかです。
研修前にやること
1.目的をはっきり伝える「何のためにこの研修を受けるのか」
2.研修後にすることを伝える
たとえば、
- 報告書を提出してもらう
どんな内容だったか、それを今後の業務にどう展開させていきたいか等 - 講師としてみんなにレクチャーしてもらう
などです。
このようなミッションがあれば、眠気を吹き飛ばして、研修に集中してくれることでしょう。
ちなみに、なんの目的・目標もなく研修を受けさせるとどうなるでしょうか?
ただ研修をぼーっと受ける→居眠りをする、、という不毛な時間となってしまいます。
時間とお金の無駄遣いですね。
研修後にやること
研修後は、予告通り、以下のことをやってもらいます。
- 講師として、研修内容をみんな(上司含む)にレクチャーさせる。
説明するためには、復習や調査が必要になるので、研修内容がいやでも身につきます。 - 研修内容を活かした新たな課題に取り組ませる。
新しい知識を得ることで、視野が広がり、これまで見えなかった問題が見えるようになります。鉄は熱いうちに打て!今がチャンスです。 - 毎月の会議で、その結果を追及する
やったか、できたか、具体的な改善策は?等
受けた研修をここまで活かせれば100点満点です。間違いなく、部下の行動は変わります。
そして、変わるように導くのが上司の役割です。
まとめ
部下の行動を変えるには、
- まずは座学で知識を得・深めてもらう
- 次に、研修で得た知識をみんなに説明させる
- そして、その知識を現場で活かす仕組みを作る
この繰返しで、研修を活かし、部下の行動を変えていただければと思います。
最後に
研修さえ受けさせれば、従業員自ら考えて成長してくれるだろう、という従業員任せの会社さんはまだまだ多いです。
現場が変わらなければ、受講者がせっかく得た知識も活かせません。
活かされぬまま、時間とともに知識も忘れ去られ、元に戻ってしまいます。
その結果、「研修を受けさせてもやはり変わらない」というコンサル会社批判になります。
任せっぱなし、受けさせっぱなしでは何も変わりません。
すべてにおいて。
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