注意できない上司が組織を壊す理由
職場が崩れていく大きな要因のひとつが「注意できない上司」です。
問題のある言動を見て見ぬふりしてしまう上司がいると、職場には次のような空気が広がります。
「あの人だけ怒られないのは不公平だ」
「言われないなら自分も適当でいいや」
「上司に相談しても無駄」
こうしてモラルは低下し、信頼関係は崩れ、組織はゆっくりと弱っていきます。
上司が部下を注意できない3つの典型ケース
- 嫌われたくない欲求
部下に注意することで「嫌われるのでは」と恐れるケース。
たとえば:
・部下のミスを見ても「指摘したら関係が悪くなるかも」と我慢してしまう
・会議で意見をぶつけられると「嫌われたくないから」と流してしまう
結果、注意はゼロ、部下は育たず、逆に信頼を失います。 - 自分に自信がない
「自分だって完璧じゃないのに…」と後ろめたさを感じて指摘できないケース。
・部下の方が専門知識に詳しく、自分が弱く見えるのが怖い
・「叱ったあと、反論されたら答えられない」と考えて沈黙
自信のなさは、指導の放棄につながります。 - 面倒・時間がない
「今は忙しいから…」と注意を後回しにするケース。
・報告書の誤字を見ても「また今度でいいや」
・態度の悪さに気づいても「面倒だから放っておこう」
問題は雪だるま式に大きくなり、手遅れに。
注意できない上司によって起きる職場のリスク
- 職場のモラル低下
ルール違反が放置されると「守っても意味がない」と感じる社員が増える。 - 離職率の上昇
まじめな社員ほど理不尽さに耐えられず、先に辞めてしまう - 生産性の低下・顧客からの評価ダウン
小さな問題を放置した結果、大きなクレームや損失に発展。
自己診断チェックリスト ― あなたは当てはまりますか?
□ 部下のミスに気づいても、何も言わずに流すことがある
□ 「嫌われるのが怖くて」注意を控えることがある
□ 部下に反論されるのを恐れて発言を避ける
□ 忙しさを理由に、注意や指導を後回しにする
□ 注意や指摘をしづらい雰囲気がある
※3つ以上当てはまるなら、「叱れない・注意できない傾向」が強いかもしれません。
経営者ができるサポート策
注意できない上司を「無能」と切り捨てるのは簡単ですが、それでは組織は成長しません。
経営者が仕組みとして支援することで、必ず改善できます。
- フィードバック研修を導入する
叱る=怒るではなく、「気づかせる伝え方」を習得させる。 - 定期的な面談でサポートする
管理職自身が「上からも聴いてもらえる」と感じることで、部下にも向き合える。 - 外部相談を活用する
社労士やコーチなど第三者の助言で「言うべき/言わなくていい」の線引きを学ばせる。 - 登用基準を見直す
役職者には「言うべきことを言える人物」を優先して登用する。
まとめ:言うべきことを言える上司が会社を守る
「言わない優しさ」が、職場にとって最大のリスクになることもあります。小さな見逃しが、チームの信頼・業績・人材を失う引き金になるのです。
逆に「言うべきことを言える上司」がいる組織は強い。部下は育ち、チームは成長し、会社全体の力が底上げされます。
今こそ、経営者・管理職・従業員が一丸となって、「伝える力」と「育てる力」 を見直すタイミングです。
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「もしかしてうちの職場も当てはまるかも」と感じたら、早めにご相談ください。
状況を整理し、必要に応じて改善策や対応方法をご提案いたします。
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